徳島県教委は26日、公立普通科高校の学区制見直し方針に関し、教育委員が議論した本年度の定例会と臨時会の議事概要をホームページで公表した。いずれも非公開で審議して議事録を公表していない。

 公表したのは、6月10日の第5回定例会と21日の第2回臨時会の議事概要。定例会で学区制の見直しを協議事項とし、臨時会で教育委員が見直し方針に合意していた。

 いずれもA4判2ページ分に、事務局の説明や教育委員の質疑・意見交換などの概要をまとめている。質疑・意見交換には発言者名が記されておらず、どれが誰の発言かは分からない。協議で用いた資料も公表された。

 学区制に関する議事録を巡っては、徳島新聞の情報公開請求に対し、県教委は「県民の誤解や臆測を招き、不当に混乱を生じさせる恐れがある」として、該当箇所を黒塗りで開示した。

 県教委によると、黒塗りの議事録に対し、教育委員から「県民の関心が高いので、議論の中身を丁寧に知らせた方がいい」との意見があり、概要版の公表を決めた。県教委は昨年度設置した有識者会議でも議事概要を公表しており、同様の対応を取った格好だ。

 県教委の学区制見直し方針 現在の中学2年生が受験する2021年度入試から、徳島市の城東高校を全県募集校とする。20年度入試から学区外の生徒流入率も緩和。変更後の流入率は第1学区(県南)が15%以内、第2学区(県北・県西)が10%以内、第3学区(徳島市)は学校によって8~12%以内。

 

 議事録の公開が必要

県教委が黒塗りで開示した臨時会の議事録(右端)など

 県教委が公表した議事概要は、審議が十分尽くされたと納得できる内容ではなかった。

 教育委員の意見交換で、事務局の方針に対する異論がほとんど出てこないのが理由の一つだ。さらに事務局が学区制見直し案を作る際に使った各種データが、議論に用いられた形跡も確認できない。

 このため教育委員は何を根拠に学区外流入率の変更案を「よく考えられている」と評価したのか、一向に分からないのが実態だ。

 教育創生課の永戸彰人課長は「県民に混乱を生じさせるような箇所は(議事概要から)外している」と説明する。しかし、この程度の内容でどれだけ県民の理解を得られるのか、疑問が残る。

 学区制のように正解が一つではない課題だからこそ、政策決定の過程を公開していくことが大事なのだ。今後も審議を非公開で行うなら、議事録そのものの公開が必要ではないか。