センサーカメラが撮影したツキノワグマの親子=那賀町(中国四国地方環境事務所提供)

 絶滅の恐れがある四国のツキノワグマの生息状況を把握するため中国四国地方環境事務所などが行っている2017年の調査で、那賀町の剣山山系に設置したセンサーカメラが親子の姿を捉えた。親子の撮影は2年連続で、「種の保存」が確認された。

 調査は6~12月に徳島、高知両県にまたがる23カ所に餌を仕掛け、66個のセンサーカメラを置いて実施。ツキノワグマは42回撮影され、少なくとも10頭の個別の個体を確認。那賀町の民有林では親子1組の姿が撮影された。

 剣山山系に生息するツキノワグマは50頭未満と推計されており、徳島、高知両県のツキノワグマは1991年に「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定されている。中国四国地方環境事務所と四国森林管理局、NPO法人四国自然史科学研究センターが共同で毎年調査している。16年の調査では2組の親子を含む11頭が確認されていた。

 ツキノワグマの保護活動などを行う「日本クマネットワーク」(東京)も17年8月、これまで生息が確認されていなかった美馬市の山林で、親子かきょうだいの可能性がある2頭のツキノワグマの撮影に成功している。