2月の徳島県内は記録的な寒さだった。日本気象協会(東京)によると、月平均気温は全8観測地点で前年同月を1・6~2・1度下回り、うち7地点は過去10年間で最低となった。暖房器具やコートなどの売り上げが伸びた一方、冷え込みや雪のため客足が鈍るなど、冬物商戦にも大きな影響が出た。
県内の2月の平均気温は、海陽町(統計開始2009年)が観測史上最低となり、美馬市穴吹町(02年)は12年に次いで2番目。三好市東祖谷京上と那賀町木頭出原(ともに1979年)は3番目の低さとなった。
7日には海陽町で氷点下6・7度、8日には三好市池田町で氷点下7・9度と、ともに観測史上最低を記録した。8日は、三好市東祖谷京上でも史上2位の氷点下11・1度を観測。徳島市では4~9日、34年ぶりに最低気温が0度未満の「冬日」が6日続いた。
協会によると、寒さは南米ペルー沖で海面水温が低い状態が続くラニーニャ現象の影響で、偏西風が日本付近で南に蛇行し冬型の気圧配置が強まった。
県内6店舗のケーズデンキでは、昨年12月からエアコンなどの販売が好調で、2月には一部商品の売り切れも相次いだ。同月の暖房器具の売り上げは前年比10%増だった。
そごう徳島店(徳島市)は、ダウンコートやファーのマフラーが売り上げを伸ばしたものの、冬物衣料全体では前年とほぼ同じだった。担当者は「雪の日が多かったので来店客数が微減した。寒すぎるのも考えもの」と話した。