徳島の障害者野球メンバー、車いすソフトチーム結成へ 障害者野球チーム「徳島ウィングス」のメンバーが、四国初の車いすソフトボールチームの結成を目指している。国内の競技人口は約300人と少ないスポーツだが、障害の有無にかかわらず参加できるとして注目を集めている。自身も車いすに乗る代表の西上勝さん(52)=鳴門市鳴門町土佐泊浦=らが県や障害者スポーツ関係者に呼び掛け、準備を進めている。
車いすソフトボールは50年ほど前に米国で誕生し、国内では2013年に北海道で初のチームが発足。現在、全国12チーム約300人の選手が、日本車椅子ソフトボール協会(札幌市)に加盟している。
1チーム10人で、障害の程度などによる持ち点を基に編成する。上肢の障害がある人を必ず1人入れる必要はあるが、健常者も加われる。
2月17日に鳴門市撫養町のアミノバリューホールで開かれた車いすソフトボール体験会(県スポーツ振興財団主催)には、広島県のチーム「サリーレ」を招いた。ウィングスのメンバーや鳴門教育大野球部の部員らが参加し、サリーレ代表の吉田誠さん(46)=広島県三原市=からルールなどについて教わり、参加者はミニゲームで交流した。
ウィングスの山下成花さん(27)=阿南市長生町西方=は「全員が車いすで同じ目線なので、バットにボールが当たりやすかった」と笑顔を見せた。
車いすソフトボールは、プロ野球の北海道日本ハムファイターズや埼玉西武ライオンズが大会を主催するなど支援している。徳島のチームの発足に向けては、徳島インディゴソックスがユニフォームをデザインするなど協力する。
15年のウィングス結成前から車いすソフトボールチームの構想を持っていた西上さんは「誰もが楽しめるスポーツ。多くの人に一緒に楽しんでもらいたい」と話している。
ウィングスのメンバー20人のうち5人が参加の意向で、4月ごろの結成を目指す。メンバーを募っているほか、競技用車いすや練習場所の提供などを呼び掛けている。