写真を拡大 阿波しらさぎ文学賞に輝き、表彰状を受け取る佐川恭一さん=新聞放送会館

 徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第2回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の授賞式が8日、徳島市の新聞放送会館で開かれた。「踊る阿呆」で大賞の阿波しらさぎ文学賞に輝いた佐川恭一さん(34)=大阪府枚方市、公務員=ら3人に表彰状と賞金が贈られた。記念行事の文学トークもあった。

 徳島新聞社の岡本光雄編集局長から表彰状を贈られた佐川さんは「外部から徳島を眺め、阿波踊りをテーマに決めて楽しい話として仕上げた。小説を書き始めて13年になる。これからも書き続ける勇気をもらった」と謝辞を述べた。

 「胸をつらぬく」で徳島新聞賞に選ばれた桐本千春さん(55)=徳島市中島田町1、看護師=は「受賞作が新聞に掲載されてから、たくさんの人が読んでくれ、励みになった。自分にしか書けない世界を創作したい」と喜びを語り、「いらっしゃいマンション」で徳島文学協会賞が贈られた宮月(みやつき)中(ちゅう)さん(25)=徳島市南前川町5、徳島大大学院=は「2年連続の受賞で不思議な気分。県外出身ですが徳島を古里としてさらに羽ばたいていければ」と笑顔を見せた。

 文学トークでは、徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)が司会をし、受賞者3人と、最終選考委員長を務めた芥川賞作家の吉村萬壱さん、ゲストで芥川賞作家の玄月さん、直木賞作家の角田光代さんが、受賞作品について意見を交わした。

 【受賞作品紹介】

 ■「踊る阿呆」佐川恭一

 ■「胸をつらぬく」 桐本千春

 ■「いらっしゃいマンション」宮月 中

■授賞式、文学トークの様子■