今春、美馬小学校(美馬市美馬町)に統合されるため、長い歴史を閉じる重清西、重清東、郡里、芝坂、喜来の5校の歩みなどを1冊にまとめた閉校記念誌「美馬物語」が完成した。各校の在校生や同市美馬町の自治会員らに配布される。
A4判、184ページ、全面カラーで、3400部発行した。表紙は5校のコラージュと若葉の写真を配し、児童が希望を持って未来に踏み出せるよう、明るいイメージにした。
学校関係者やPTAでつくる「美馬地区統合小学校づくり協議会」が、新しい学校を支える住民らに一体感を持ってもらうことや、できるだけ多くの人に配布するため、閉校する5校で1冊に編集することを決めた。
各校の校訓、校歌、歴史などの基礎データをはじめ、昭和と平成の時代のそれぞれの運動会やラジオ体操、写生大会の様子といった学校生活を写真で紹介。現在の在校生を中心に、授業や給食の風景も切り取った。
在校生も「いっぱい友達つくる」「プール楽しみ」など、4月に開校する美馬小への期待とともに、母校での楽しかった思い出を寄せた。卒業生や元教員らも、母校がなくなる寂しさなどをつづった文章を寄稿した。
これまでに美馬市で児童数減少のため閉校となった切久保小、重清北小、重清西小・中野分校も合わせて紹介。竜王山、郡里廃寺跡など地元の自然や遺跡も記念誌を彩った。
重清西小は1873(明治6)年、重清東と郡里が74年、芝坂は78年、喜来は89年と、いずれも明治時代の創立。各校とも地域に根差しながら、100年を超える歩みを刻んだ。これまで5校で、計2万1793人が学びやを巣立っている。