中村鴈治郎さん(左)らの熱演で観客を魅了した松竹大歌舞伎=徳島市のあわぎんホール(家段良匡撮影)

 中村鴈治郎、扇雀さん兄弟や尾上松也さんらが出演する「松竹大歌舞伎」(徳島県文化振興財団、四国放送、徳島新聞社主催)が10日、徳島市のあわぎんホールであった。昼夜2回の公演に計1400人のファンが詰め掛け、人気役者の熱演を堪能した。

 飛脚問屋の養子忠兵衛(鴈治郎さん)が恋仲の遊女梅川(市川高麗蔵さん)を身請けするため、公金に手を付ける「恋飛脚大和往来 封印切」と、源頼光(尾上さん)の命を狙う蜘蛛の精(扇雀さん)が頼光主従と立ち回る「蜘蛛絲梓弦」を披露した。

 鴈治郎さんは、ふとした弾みで破れた公金の封を切り、身請け金を出してみせる忠兵衛を鬼気迫る表情で熱演。蜘蛛の精役の扇雀さんは手から蜘蛛の糸を鮮やかに放ち、観客から大きな拍手が送られた。

 「封印切」に見入っていた松本順子さん(68)=徳島市城東町1=は「死罪を恐れながらも突っ張り続ける忠兵衛の姿に、男の意地を感じた」と話していた。