ろ過装置が故障し、17年度から使用を中止している八万中学校のプール=徳島市城南町3

徳島の市立中学校で、老朽化したプールを改修せず、校外の市営プールで水泳の授業を行う動きが広がっている。

市教委が校舎などの改築を優先し、プール改修費の上限を100万円と定めているためで、既に3校が実施している。市立中学校のプールは完成から平均44年が経過して故障が相次いでおり、校外プールの活用はさらに進みそうだ。

 プールを備えていない入田中と北井上中を除く市内13校のうち、校外で水泳の授業をしているのは徳島中、上八万中、八万中。徳島中は校舎改築工事に合わせてプールを撤去し、2012年度から田宮公園プール(南田宮2)を年1、2回使用している。

 上八万中は15年度から、八万中は17年度から、いずれもB&G海洋センタープール(論田町元開)で年1、2回授業を行っている。両校のプールは築40年以上たち、水中の不純物を取り除くろ過装置が故障。修繕に多額の費用がかかるため使用を中止した。

 市教委は、校舎など優先度の高い施設から改修を進めようと、14年度に「プール改修には100万円以上出さない」と決めた。このため改修を諦め、18年度からの使用中止を検討している学校が複数ある。

 水泳を嫌がる生徒が増えていることもプールの改修が進まない一因とされる。中学校の学習指導要領では、プールがない学校では水泳の授業をする必要はないと規定。県教委によると、市町村立83校のうち、17年度に水泳の授業を行ったのは59校で、残る24校では実施しなかった。

 市教委総務課は「夏休み中に児童に開放される小学校プールと比べて中学校は必要性が低い。プールが使用できなくなった場合、授業を外部のプールで行うかどうかは学校と協議して決めたい」としている。

 国が7年ごとに行う「体育・スポーツ施設現況調査」によると、15年度の中学校プール設置数は5850校。7年前より1181校減少している。