空の雲を染めて沈む夕日。日出湾は海に向かって太陽が沈む夕日スポットとして有名だ=鳴門市瀬戸町

 2年ほど前の冬。鳴門市瀬戸町堂浦の日出湾沿いにある日出神社に出掛けた。神社の参道は海へとつながっている。かつて祭礼の際、神輿は海に入っていたのだ。

 海に向かって立つ鳥居と石灯籠が珍しく、カメラを向けたことを思い出す。ちょうど夕暮れの時刻で、赤く染まる空の雲と海に感動し、何度もシャッターを切った。

 その時、散歩中の人に声を掛けられ「ここの夕日はきれいだろ。今は山に日が沈むけど、夏場は海に沈むけんな」と聞いた。「夏に来てみ。それは見事やけん」

 話によると夏至のころ、遠く西方に見える小豆島と高松市の間の海に、太陽が沈むのが見えるのだという。雲の状況によって、きれいに見えるのは数年に1度という運頼みの話だったが。

 それから、季節ごとに通うのが習慣のようになった。同じ対象を狙う人は結構いるようで、湾に沿う県道183号(鳴門スカイライン)の路側帯や、港でカメラを構える人をよく見掛ける。

 かくして、見事な日没を捉えられたかというと、答えは否である。「数年に1度の絶景」とのうたい文句はだてではない。けれど、日没前後の赤や黄に染まるダイナミックな空と海に、出掛けるたびに感動している。