ほう楽★ガールズ徳島のメンバーとしても活躍する木下さん(左)

「これからも楽しんで箏の演奏を続けたい」と話す木下さん

 岡山市で開かれた「おかやま全国高校生邦楽コンクール」で、箏(こと)を奏でた城ノ内高2年の木下萌花さん(17)が、第2席にあたる岡山市長賞を受賞した。「完全には納得できる演奏にならなかったので、自分の名前が呼ばれた時はびっくりした。これまでの積み重ねが認められてうれしい」とほほ笑んだ。

 秋田から沖縄まで、邦楽演奏に情熱を注ぐ高校生21人が集まったコンクール。

 木下さんが演奏したのは、課題曲「六段の調」と自由曲「三つの断章」。課題曲は古典。一方の自由曲は現代曲で、テンポも速くリズムも複雑な難曲だ。

 もともと現代曲が好きな木下さんにとって「三つの断章」は、音源を聴いてすぐに「かっこいい、弾きたい」と思えた曲だ。しかし初めて経験する苦手な技法があり、何度も練習を繰り返し、大会直前にようやく形を作り上げた。

 「本番になると周りの出演者をすごく意識して、やってやるぞという気持ちになる」という負けん気の強さが取りえの木下さん。だが、気持ちを出し過ぎると失敗するので、85パーセントくらいで演奏に臨むようにしている。

 感情をうまくコントロールして本番に挑んだが、苦手な部分で大きな失敗をしてしまう。「意識して力が入った」と悔やみつつも「出番の最初と最後は絶対に笑う」がモットーの木下さんは、ミスを引きずらずに演奏し切った。

 2位という結果を勝ち取れたのは、そんな切り替えの良さと日頃から積み重ねた基礎力のたまものだ。審査員からも、自由曲での難曲のチャレンジに加えて「課題曲で個人の色を出し過ぎることなく、基本に忠実に演奏していた」と地力の高さが評価された。

 箏を始めたのは、北灘東小2年の時。経験のある母親が知人から箏を譲り受けたのを機に、稽古を始めた。もともと音楽の授業が好きだった木下さんにとって、演奏は楽しく、すぐに夢中になった。

 石井町の箏曲家遠藤綾子さんの指導を受け、めきめきと力を付けた。6年の時には広島県で開かれた全国小・中学生箏曲コンクールで金賞を受賞するなど、これまでにも受賞歴は多い。「賞をもらうのはうれしいけれど、続けてこられたのは稽古や演奏が楽しいからこそ」と話す。高校生活が忙しくなった今でも1日1~2時間は箏に向かい、練習に励んでいる。

 今後も10月に開かれる「徳島音楽コンクール」への出場や、県内の女性和楽器奏者で結成する「ほう楽★ガールズ徳島」でのライブなど、多くの活動を控えている。箏の魅力を「自分の思い通りの演奏ができた時は気持ちいいし、合奏で息が合う瞬間も大好き」と語る。

 最近はポップスやロックでも和楽器が使われていることを喜び、奏者の一人として誇りにも感じている。「和楽器は堅苦しいものと思われがちだし、私もかつてはそう考えていた。でも実際は面白く、さまざまな楽しみ方ができる。その魅力を伝えられるよう、私自身が楽しんで演奏を続けていきたい」と話した。