樹勢が衰え、葉が少なくなったスダチの古木を見守る所有者の橋本さん=7月、神山町鬼籠野

 神山町の後藤正和町長は17日の町議会で、県内最古とされる同町鬼籠野の樹齢約200年のスダチの古木について、町指定文化財(天然記念物)への登録を目指す方針を明らかにした。古木は2016年に害虫による被害が確認され衰弱している。財産を後世に残すのが狙いで、天然記念物に指定されれば保護に必要な費用を町が補助できるようになる。河野雅俊氏の質問に答えた。

 町によると、古木は鬼籠野のスダチ農家橋本純一さん(87)が所有している。16年に害虫ゴマダラカミキリが開けたとみられる穴が根元付近で複数見つかって以降、葉の変色や落葉が目立つようになった。昨年の収穫量は例年の2割に満たず、本年度は古木の樹勢回復を優先させて実を落としたため、ゼロとなっている。

 町はJA名西郡などとつくる「神山町農業指導班会」の活動資金を使って薬剤の塗布や枯れ枝伐採などの処置を施してきたものの、回復のめどは立っていない。そこで町は、天然記念物に指定されると樹木医の診断や処置などの費用をより高額で補助できるようになるため、再生に向けて早急に措置を講じたいと考えている。

 町は天然記念物への申請を橋本さんに提案し、既に同意を得ている。橋本さんが町文化財審議会に申請書を提出し、早ければ25日の審議会に諮られる。即日答申され、本年度中に告示する。

 神山町の指定文化財は17日時点で43件。このうち天然記念物はイチョウやスギなど植物の4件が指定されている。

 後藤町長は「日本一のスダチ産地・神山のシンボルとしてぜひ古木を残したい」と話している。

 一方、県文化資源活用課は「県の天然記念物の場合は樹勢が盛んなものを指定する。保護を目的に指定するケースは聞いたことがない」としており、樹勢の回復措置に補助金を出せるようにするための記念物指定は珍しいという。