平和の尊さを訴え続ける100歳詩人の大南さん=徳島市幸町3

 詩誌「詩脈」同人の大南智史さん=徳島市幸町3=が100歳を迎えた。自らの戦争体験を基に、平和の尊さを訴え続ける100歳詩人の創作意欲は衰えることがない。

 大南さんの最新の詩は「令和へ」。明治、大正、昭和、平成の4元号の出来事を振り返り、「世界中の人が令い心になれば真に和やかな地球が生まれる」と平和への願いを詠んでいる。

 大南さんは1919年10月5日、旧満州生まれで、尋常小学校1年の時に美馬市に移った。45年3月に応召し、終戦後は中国・遼東半島で収容所生活を送った。47年4月に帰国し、徳島県庁などに勤務した。

 詩作を始めたのは旧制脇町中学を卒業した18歳の頃。収容所時代には、極寒の中で十分な食事を与えられないまま強制労働を課せられた心情を短い詩にした。約1年半の収容所生活で詠んだ作品は3000編に上る。

 公務員時代は詩から遠ざかったが、定年後は再び精力的に詩作に取り組んだ。時事問題からヒントを得て、平和を希求する作品が中心となっている。

 100歳を迎えた時の詩は「一百才 おかしゅて おかしゅうて 噴き出した」。大南さんは「年を取ってからは阿波弁での詩作も増えた。肩肘張らずに胸中を表現でき、心が解き放たれる」という。

 長寿の秘訣は、何にでも興味を持つこと。毎朝、約1時間半かけて新聞を読み、気になった記事は切り取ってスクラップする。医学や歴史関係の本もよく読む。テレビでは高校野球や大相撲中継を楽しみにしている。

 「命ある限りペンを持ち続け、平和への思いを書きたい」と力を込めた。