今季、徳島ヴォルティスに加入したFW呉屋大翔(24)がジェフユナイテッド千葉戦で今季初得点を挙げた。J1ガンバ大阪から期限付き移籍で加わった期待のストライカーが、開幕4戦目で、待望の今季初ゴール。「自分の中では早く取りたかった」と、結果を残してほっとした様子を見せた。チームの得点力アップへの期待を背負う呉屋は「このまま勢いに乗りたい」とゴール量産へ、意欲をのぞかせる。
前半13分、右サイドからのクロスを千葉のGKがはじいたボールをシュート。ゴールを捉えていたが千葉のDFが手で防ぎ、PKとなった。「(最初のシュートは)入っていたと思う。自分は流れの中から決められたと思っている」。自ら決めて、記録はPKによる得点となったが、攻撃への手応えを口にした。
練習試合が多く組まれた宮崎キャンプでは、終盤まで別メニューでの調整が続いた。現在の主力組と実戦でプレーする時間が限られたこともあり、開幕当初は、パスの出し手となかなか息がが合わない部分もあった。それでも、試合を重ねるごとに周囲との連携も磨かれ、自身のコンディションもより良くなってきた。前線でボールを収めたり、ゴールに向かってシュートしたりと、存在感も増している。
千葉戦で、PKが与えられたとき、すぐにボールを抱えた。その場面を振り返り「ベンチを見たら騒いでいたので、何か言われそうだなと早めにキープした」と明かす。自分のゴールは誰にも譲らないという、ストライカーとしてのプライドも感じさせた。試合ではシュート3本を放ち、前線からのプレスに惜しまず走った。後半26分に交代となり、「90分出たかった」と悔しさもあらわにした。
チームでは、昨季14得点のFW山﨑凌吾が実戦復帰し、ブラジル人FWナタンも全体練習に合流。チーム内の競争が今後さらに激しくなるのは必至だが、「どこのチームでもあること」と淡々と話す。周囲との連携が深まり、自信をつかみつつあるストライカーが貪欲に得点を狙い続ける。