自転車道の整備が検討されている大鳴門橋の桁下空間=南あわじ市

 鳴門市と兵庫県の淡路島を結ぶ大鳴門橋の桁下空間を利用した自転車道の整備を目指す徳島、兵庫両県は近く、自転車道を設置する詳細な場所の検討など事業化に向けた本格調査に乗り出す。自転車道を整備した際に橋が受ける風の影響などを試験した結果、観光遊歩道「渦の道」を残したまま安全に設置できることを確認。技術的な課題が解決し、鳴門の渦潮を楽しめる新たな観光資源の実現が大きく前進した。

 試験は2018年5月~19年9月、桁下空間(高さ9・7メートル、幅9・6メートル)の中央部分に、金網フェンスを配した幅員4メートルのアスファルト舗装の自転車道を想定して実施。橋を約70分の1に縮尺した模型を使うなどして、重量増加や暴風時の影響を調べた結果、橋の安定性が確保できることを確認した。

 両県は本年度に自転車道の詳細な配置を検討するほか、運営手法や採算性などの調査に着手し、来年度以降に構造設計に取り組む。

 1985年に開通した大鳴門橋(全長1629メートル)は、上下2層構造で自動車専用道の下部に新幹線を走らせるための空間を設けている。下部は現在、渦の道などの一部を除き、骨組みや配管などがあるだけで利用されておらず、両県が18年度から自転車道の設置を検討していた。

 現在の大鳴門橋は自転車が渡れず、鳴門市がバスによる輸送サービスに取り組んでいる。徳島県は「自転車道の実現に向けた技術的課題が解消できた。交流人口拡大へ、早期実現を目指す」としている。