鳴門市大麻町で誕生したコウノトリのひなは、23日時点で3羽いることが地元観察者の撮影した映像で分かった。20日の撮影映像では4羽いるようにも見えたが、21日以降は3羽の姿しか確認できていない。

 23日午後0時40分ごろ、巣の南側約400メートルから撮影した映像では、雌の親鳥の足元でひな3羽が頭を出し、餌を食べる姿が確認できた。親鳥はひなに与えるために餌を吐き出したり、食べ残した餌を食べ戻したりする行動を取っていた。

 地元の観察者らによると、20日午前11時ごろには4羽のひなが動く様子が映像に記録されていた。しかし、21日は3羽の姿しか確認できず、同日午前11時台には雌の親鳥が巣の上でウシガエルよりやや小さい、ひなとみられる固形物を吐き出し、再び食べ戻す姿が2回確認されている。

餌をもらおうと頭を出す3羽のひな=鳴門市大麻町

 兵庫県豊岡市の市民団体・コウノトリ湿地ネットなどによると、親鳥は死んでいるひなを食べることがあるという。同ネットの佐竹節夫代表(68)は「弱っている個体にわざわざ手を下すことはなくても、死んでいれば食料として食べることはある。豊岡でも過去に何回かあり、今回起こっていても不思議ではない」と話している。

 鳴門で子育て中の親鳥は昨年3月、誕生したひな4羽のうち1羽を巣から放り出し、死なせる「間引き行動」を取っている。残る3羽は6月、無事に巣立った。

 

     鳴門のコウノトリ、ひな元気 2羽?3羽?