アウトクラスカーズが提案するジムニー(写真手前)とエブリイのカスタム車。レトロな雰囲気に仕上げている=徳島市内

村田さんが愛車を写した一枚(インスタグラムより、写真の一部を加工しています)

 2020年に発売50周年を迎えるスズキの軽四輪駆動車「ジムニー」。全国の愛好家から注目を集める専門店が、徳島にある。マニアも納得の個性的なカスタム(改造)スタイルを提案し、客層を着実に広げている。

 徳島市のとくしま動物園近くにある「アウトクラスカーズ」。県道沿いに高く掲げた「ジムニー専門店」の看板の足元に、新旧さまざまなジムニーが並ぶ。敷地面積は約3300平方メートルあり、遠くまで車が連なっている。

 周辺を山や田畑に囲まれ、のどかな雰囲気のこの場所に、県内外からひっきりなしに客が訪れる。

 宮崎市の団体職員村田あゆみさん(41)は、インターネットでこの店を知った一人。7月に新車を持ち込み、ボディー以外はほとんど手を入れたという自慢の一台を会員制交流サイト(SNS)で紹介している。カスタム以降も店とのやりとりが続いており「ほぼ家族のような付き合い。剣山スーパー林道も走ってみたいので、年に1回は徳島を訪れるつもり」と朗らかに話す。

 ジムニーは1970年に発売以降、手頃な価格で買えるオフロード車として定評がある。カスタムパーツが多く出回り、所有者のセンスや趣味に応じて個性を発揮できるのも人気の理由だ。20年ぶりとなった昨年のフルモデルチェンジで、ブームが再燃している。

 赤地祐昭社長(44)は「ニッチな業界の中で1番を目指したい」と意気盛ん。2000年に徳島市論田町で創業し、09年に現住所へ移転した。

 当初は普通車を中心に扱ったが、下取りした中古のジムニーで近くの中津峰山に繰り出したところ、走りの楽しさに感動。「もっと広めたい」と専門店にかじを切った。オリジナルの部品開発を始め、都市圏のイベントに出展するなど情報発信に注力。専門誌に頻繁に取り上げられ、全国区の店に成長した。

 カスタムのモットーは、スズキの副代理店とあって「ジムニーをジムニーらしく」と本来の良さを守ることを心掛ける。今年の新作は、バンパーの形状を工夫するなどして悪路の走行性を高めつつ、レトロで上品な印象に仕上げた。ジムニーのほか、スズキの軽ワゴンや軽トラックも手掛ける。

 最近は客層にも変化が表れている。自家用にとどまらず、建設業者や農林業関係者からの引き合いが増しつつある。各地で台風や地震による被害が相次ぐことから、ジムニーの実用性が再確認されているようだ。赤地社長は「5年先、10年先を見据え、災害に強く、かっこいい車作りに取り組みたい」と話している。