とくしまマラソン2017に、視覚障害者と伴走ランナーでつくるランニングクラブ「阿波を共に走る会」から、視覚障害者と伴走ランナーのペア2組が出場する。マラソンは、視覚障害者と健常者が共に楽しみ、競い合えるスポーツの一つ。4人は走る姿を通して、視覚障害者がマラソンに参加することへの理解を訴える。
出場するのは、視覚障害のある伊藤淳子さん(62)=徳島市南矢三町3、無職=と望月健太郎さん(38)=同市沖浜町栄開、徳島視覚支援学校教諭、伴走ランナーの福島賢太郎さん(48)=同市助任本町2、会社員=と加藤智子さん(38)=北島町中村、リラクゼーションセラピスト。伊藤さんは福島さんと、望月さんは加藤さんとそれぞれペアを組み、徳島市の徳島中央公園や市陸上競技場で練習を重ねてきた。
伊藤さんと望月さんは視力が徐々に失われる病気「網膜色素変性症」のため、現在は視力がほとんどない。2人がマラソンを始めたのは視力を失ってからで、「走ることが生活の刺激になり、マラソン大会出場という目標ができて前向きになれた」と口をそろえる。
とくしまマラソンへの出場は伊藤さんが初めて、望月さんは前回に続いて2度目。伊藤さんは「沿道の応援や補給食が楽しみ」と話し、望月さんは「前回の3時間54分を上回るタイムで走りたい」と意気込む。
望月さんの伴走を務める加藤さんは元実業団ランナーで、前回のとくしまマラソンは女子総合2位に輝いた。2月から知人の紹介で同会に加入している。初の伴走に「1人で走るのとは違う感動が待っているはず。(望月さんと)二人三脚で楽しみたい」と期待する。
伴走ランナーが多ければ、視覚障害者はマラソンに挑戦しやすくなる。会の創設メンバーの福島さんは「伴走ランナーのやりがいや活動の意義を知ってもらうには、実際に走っている姿を見てもらうのが一番。1人でも興味を持ってくれる人が増えれば」と願っている。