自習禁止の張り紙が掲示されている徳島市立図書館=徳島市のアミコビル6階

 徳島市立図書館(元町1)は、どうして生徒の自習を認めていないのですか―。徳島新聞「こちら特報班」に市内の保護者から不満の声が届いた。調べると、県内では北島、藍住両町の図書館も自習を禁止していた。ところが、県立図書館を含む他の25の公立図書館は認めている。なぜ自治体によって対応が分かれているのか。図書館と生徒の双方に話を聞いた。

 アミコビルにある徳島市立図書館を訪ねた。6階の一般室(2128平方メートル)には本を読める座席が195人分用意されている。平日の昼間にもかかわらず利用者は多い。

 掲示板を見ると「自習はご遠慮ください」と記された紙が貼られていた。席は閲覧専用。教科書や参考書を持ち込んでの自習は禁止している。勉強している生徒・学生を職員が確認すると、退席を促すそうだ。藍住、北島の両町立図書館も同じような対応を取っている。

 市の担当者は自習禁止について「席を長時間占有されると他の利用者が使えない」と理由を挙げる。「自習を認めると、どうしても長時間にわたってしまう。面積も広くないので、他の利用客の利便性を考えると仕方がない」と理解を求める。

 しかし県内の他の図書館では、自習スペースを設けたり、会議室や空き室を貸し出したりしていた。県立図書館は長期休暇中に限り、周辺の県立博物館や県立21世紀館などと連携して日替わりで集会室や講座室を開放している。

 鳴門市立図書館は、自習用に閲覧室を常時開放しており、休日には中高生らで48ある座席が全て埋まることもある。林克美館長は「本を読みに来るだけでなく、さまざまな用途で図書館を利用してほしい。中高生らの来館のきっかけになればありがたい」と話す。

 徳島、藍住、北島の3市町は、図書館以外の公共施設でも自習スペースを提供する取り組みはない。

 こうした対応の違いに、受験生からは不公平感を訴える声が漏れる。大学受験を控える徳島市内の高校3年の男子生徒(17)は「自宅には静かに勉強できる場所がない。図書館が駄目なら、別の場所に無料の自習スペースをつくってほしい」と言う。

 四国大の本田利広教授(地方自治論)は「自治体は学生のニーズを把握した上で、要望が多ければ自習スペースを設けるかどうか検討すべきだ」と話している。