徳島県那賀町の消防署員4人が8月、無断採取が禁じられている美波町沿岸のアワビやサザエを密漁していたことが分かった。漁業法で定められた漁業権侵害(親告罪)に問われる可能性があり、徳島海上保安部美波分室が4人から任意で事情を聴いている。この海域でアワビやサザエの漁業権を有する日和佐町漁協が刑事告訴した場合、漁業法違反の疑いで書類送検する方針。

 町によると、4人は10~40代の男性で、8月29日に美波町日和佐浦の沿岸でスタンド・アップ・パドルボード(SUP)をした。その際、アワビやサザエを見つけ、計100個程度を採った。貝類を採取する漁具も持ち込んでいた。

 近くにいた漁師がアワビなどを持った4人を発見し、徳島海上保安部美波分室に通報。貝はその場で海に戻した。町の聞き取りに対し「アワビがあれば採ろうと思った」「罪に問われるとは思わなかった」などと話しているという。

 捜査関係者によると、現時点で漁協は刑事告訴していない。日和佐町漁協の組合長は「捜査の進展を待ち、告訴するかどうかも含め、今後の対応は理事会で決める」と話した。

 町は捜査の経過などを踏まえて4人の処分内容を決める。消防長は「漁協の皆さんに迷惑をかけ、申し訳ない。二度と起こらないよう指導を徹底する」と話している。