剣山から吹く風に揺れる半田そうめん=つるぎ町半田の坂口手延製麺

 徳島県つるぎ町半田地区で特産・半田そうめんの天日干し作業が行われている。製麺業者の庭先では、そうめんがすだれのように並んでおり、剣山から吹く風に揺られている。

 同町半田の坂口手延製麺では、一晩寝かせた生地を「はた」と呼ばれる干し台にかけ、長さ1・7~2メートルほどに伸ばした後、麺同士がくっつかないように箸を入れる作業を繰り返す。天気が良い日の午前8時ごろから夕方まで天日干しし、長さ19センチに切り分ける。

 同社では1日に70キロ程度を生産しており、天日干しは4月上旬まで行われる。坂口照明代表(70)は「天日干しすると光沢が増し、純白になる。伝統の天日干しを続けていきたい」と話す。

 半田手延べそうめん協同組合(同町半田)によると、町内の半田そうめんの製麺業者は約30軒。作業効率化などから扇風機や除湿器などを用いて室内で乾燥させる業者が多く、天日干しをしているのは3、4軒という。