明石知幸さん

 徳島県美波町を舞台にした映画製作を計画している映画監督明石(あかいし)知幸さん(60)=東京都=が、若い世代に映像制作の技術を伝えるためにワークショップなどを開く。活動拠点として、取締役を務める映像制作会社「エリセカンパニー」が同町阿部の明石さんの実家にサテライトオフィス(SO)を近く開設する。映画製作後も継続して地域と関わり、県内での人材育成に取り組む。

 明石さんはSOや、同町のコワーキングスペース「ミナミマリンラボ」(同町日和佐浦)で、映像や音声の編集業務を体験するワークショップなどを開く。自治体や企業のプロモーションビデオなど映像の企画や制作作業も行う。

 2014年設立のエリセカンパニーは、明石さんの妻で映画プロデューサーの天野真弓さん(59)が社長を務める。SOに常駐はせず、明石さんらが定期的に訪れて業務などに当たり、映画製作後にはワークショップも随時開くという。

 明石さんは、美波町のIT会社サイファー・テックの吉田基晴社長(46)を主人公のモデルにした映画「ポンコツ」(仮称)の製作準備を進めており、5月の撮影開始を目指している。同町で映画を撮るのは初めてで、古里での活動を一過性にしないためにSOの開設を決めた。

 明石さんは早稲田大卒業後、にっかつ撮影所(現・日活)に助監督として入社。「免許がない!」などの監督を務めた。現在はエリセカンパニーで映像制作や映画プロデュースを行っている。

 明石さんは「技術を伝えることで徳島の若者の仕事づくりにつながってほしい。地元への恩返しにもなれば」と話している。

 

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