「4年に一度じゃない、一生に一度だ」。このキャッチコピーを、日増しに強くかみしめている。そんな感動の場面が続く。盛り上がりを見せるラグビーのワールドカップ。日本が3連勝を飾り、初のペスト8に大きく前進した。列島各地が湧く中、徳島も例外ではない。5日のサモア戦のパブリックビューイングが行われた会場は、大きな熱気と興奮に包まれた。

 

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 会場となった徳島市のとくぎんトモニプラザには、試合開始前から大勢の人が詰め掛けた。日本のユニホームである「桜のジャージー」を着た人も多く、雰囲気は最高。受け付けではバルーンが配られ、チャンスにはバルーンをたたく音が響き渡る。

 ペナルティゴールやトライを挙げれば、選手の名前を挙げて、「田村、チャチャチャ」。ピンチになれば、「ニッポン、チャチャチャ」と鼓舞する。好守の切り替わりが早く、歓声とため息が交錯。見ている人も、立ったり座ったりと一喜一憂を繰り返す。

 最高潮に達したのは、最後のトライだ。試合終了間際になっても攻め続ける日本への大声援が湧き起こる。トライを挙げた瞬間、割れんばかりの歓声に包まれた。

 徳島県は、長らく高校ラグビーが低迷したように、野球やサッカーに比べれば、ラグビーが盛んな土地柄ではないかもしれない。しかし、脇町は四国ラグビー発祥の地であり、かつて脇町中学校(現脇町高校)は全国ベスト4に進出したことがある。第1回ワールドカップの日本代表主将は、城北高出身で同志社大、神戸製鋼で活躍した林敏之さんだ。

 今回のワールドカップでも、県ラグビー協会が中心になってジョージアの事前キャンプを誘致するなど、徳島にもラグビーがしっかりと根付いている。

スタンドにジャージーを投げ入れるジョージアの選手

 残念ながらジョージアは1次リーグでの敗退が決まり、11日が最終戦になる。徳島では四国大学でパブリックビューインクが行われる。ぜひ徳島からも最後の声援を送りたい。 ジョージアといえば、鳴門市で行っていた事前キャンプの最終日に、こんな光景があった。練習が終わった後、1人2人とスタンドに近づいてくる。すると、ジャージーを脱いでスタンドに投げ入れた。受け取った観客は大喜び。選手たちは次々にスタンド近くに来て、ジャージーを投げ入れた。思いがけないサプライズに、ラグビーファンや子どもたちは大喜び。わずかな期間だったが、徳島へのお礼だったのかもしれない。

 話を日本代表に戻したい。3連勝したものの、決勝トーナメント進出の行方は、13日のスコットランド戦に持ち込まれた。間違いなく歴史的な一戦になる。

 徳島では、とくぎんトモニプラザでパブリックビューイングが行われる。待ち遠しいようで、今の高揚感を感じ続けたいために、早く来てほしくないような、複雑な気持ちだ。一生に一度の何かが待っている。13日の日本列島は、どんな景色を見せるのだろうか。(卓)