徳島市の阿波踊り事業で4億円以上の累積赤字を抱え、破産手続き中だった旧市観光協会が9日、破産手続きを終えた。最大の債権者だった市は3億2743万円の配当金を受け取ったものの、5300万円以上の債権が回収できないままとなった。市は累積赤字を解消するための市税投入は避けたいと考えており、財源をどう見つけるかが今後の焦点となる。

 この日、徳島地裁で最後の債権者集会が行われ、破産管財人の中西一宏弁護士が出席者に配当額を報告した。債権者は約100の個人・団体で、最終的な配当総額は3億3257万円だった。

 市は昨年3月、旧協会の預金などを差し引いた3億8005万円(年利0・19%)の債権を金融機関から無償で譲り受けていたものの、全額回収には至らなかった。

 遠藤彰良市長は「市の方針の検討を進め、対応していく」と文書でコメントした。

 徳島新聞社は2018年4月、阿波踊りの発展や安定的な運営のために市に3億円を寄付し、市はこれを原資に阿波おどり振興基金を創設。市の配当金の中には、市が基金を元手に桟敷を取得した際の代金回収分2億1600万円が含まれている。

 徳島市の阿波踊りは17年夏の開催分まで市観光協会と徳島新聞社が共催してきた。事業の損失補償をしてきた市が、協会の阿波おどり事業特別会計にあった4億3600万円に上る累積赤字を問題視して協会の破産を申し立て、地裁は昨年3月、破産手続き開始を決定した。

 

 市は負債処理策提示を

 徳島市観光協会の破産手続きが終わり、最大の債権者だった市の回収額が確定した。阿波踊り運営に混乱が生じた発端は、協会が抱える4億3600万円もの累積赤字が表面化したことであり、その解消には今回の回収額では足りないこともはっきりした。

 負債処理のための財源不足は、5300万円以上と見込まれる。この財源をどこからひねり出すのか。遠藤彰良市長は市税を投じることに慎重な姿勢を見せている。来春に迫った市長選も視野にあるのだろう。

 しかし、市は協会の決算監査を長年務めてきた経緯があり、協会の阿波おどり事業特別会計に生じた借入金の損失補償もしていた。いわば、積み上がる赤字を黙認してきた立場であり、無傷ではいられないだろう。

 累積赤字を解消するための財源には、協会から回収した資金が9割方充てられ、市の懐は痛まない。問題は残りの赤字の穴埋めだ。市は市民の代表である議会に説明を尽くし、応分の責めを負う必要がある。