閉店が決まったそごう徳島店=徳島市

 徳島駅前のシンボルが消える―。長年親しまれてきたそごう徳島店が2020年8月末で閉店することが明らかになった10日、買い物客からは驚きと惜しむ声が相次いだ。従業員には動揺が広がり、近隣の店主は駅前の衰退への不安を口にした。

商店主「衰退が心配」

 「徳島に百貨店を残してほしかった」と残念がるのは、夫婦で買い物に来ていた徳島市八万町の会社員髙島幸司さん(51)。「郊外のショッピングセンターに客足が流れた影響は大きいのだろう」と語った。

 友人と訪れていた徳島市中昭和町の主婦(46)は「最近は来店客が少なくなったと感じていたけれど、驚いた」。化粧品や慶祝の進物品の購入などでよく利用していると言い、「百貨店が必要」と訴えた。小松島市の大学生(19)も「駅前で遊ぶ場所がなくなってしまう」と話した。

 徳島駅前の森珈琲店の店主森富美子さん(68)は「駅前のにぎわいが失われないか心配だ」と表情を曇らせた。そごう1階の一角に出店する大判焼き店「あたりや」店主の笹田清一さん(80)は「そごう開業前からこの地でやってきた。ついに来たかという感じだ。今と同じように営業できる形になってほしい」と望んだ。

従業員に不安広がる

 「また就活をしなければいけない」「頭が真っ白」。突然の閉店の知らせに、そごう徳島店の従業員らは不安を募らせた。

 幹部を除く従業員には、午後3時半すぎに閉店の経緯や今後の方針が説明された。店によると、多くの従業員はショックを受けた様子だったという。

 4月に入社した20代の女性従業員は「憧れだったそごうに入社でき、これからという時だった。また就活をしないといけないと思うと何とも言えない」。9月から食品売り場で働く徳島市の男性(23)も「職場にも慣れて頑張ろうと思っていた矢先。頭が真っ白になって何も考えたくない」と言う。

 徳島店に勤務する本社員72人は配置転換となる一方、契約社員104人は来年8月の営業終了と同時に契約満了となる。20代の女性契約社員は「次の働き口を見つけなければならない。周囲にも焦っている人が少なくない」。

 テナントの販売スタッフは冷静に受け止めた。地下1階の和菓子店経営者は「徳島駅前に百貨店がなくなるのは残念。しばらくは静かに見守りたい」。衣料品メーカーの女性スタッフ(44)は「神戸店も閉店したので、徳島もいつかなくなるのではないかと思っていた」と話した。