閉店することが決まったそごう徳島店=徳島市

 セブン&アイ・ホールディングス(HD、東京)は10日、徳島市寺島本町西のそごう徳島店の営業を来年8月末で終了すると発表した。経営合理化策の一環で、郊外に進出した大型小売店などとの競争が激化する中、業績の改善が見込めないと判断した。県内から百貨店が姿を消すことになり、日本百貨店協会によると、徳島は全国で唯一百貨店のない都道府県となる。

 そごう徳島店は1983年10月、徳島駅前市街地再開発事業で再開発ビル・アミコビルの核テナントに誘致され、「徳島そごう」として開業。2000年7月に民事再生法の適用を申請し、02年に「そごう徳島店」となった。営業面積は2万2512平方メートル。

 県都の玄関口の顔として高い集客力を誇り、売上高はピークの1993年2月期で444億円あった。しかし、98年の明石海峡大橋の開通による買い物客の関西方面への流出や、インターネット通販の浸透などにより、2008年2月期から12年連続で売上高の前年割れが続くなど、苦戦を強いられていた。

 売り場の改装やロフト、ユニクロといった集客力の高い大型専門店の誘致などで魅力アップを図ったが、大型商業施設のゆめタウン徳島(藍住町)やイオンモール徳島(徳島市)の開業などが顧客離れに拍車をかけた。19年2月期の売上高は前期比4・6%減の128億2500万円で、ピーク時の28・9%に落ち込んでいた。

 社員数は社員72人と契約社員104人の計176人。社員は配置転換し、契約社員は閉店に伴って契約終了となり、再就職を支援するとしている。

 この日開かれたセブン&アイHDと、傘下のそごう・西武の両社の取締役会で営業の終了を決定。そごう・西武の執行役員らがアミコビルを運営する徳島市の第三セクター・徳島都市開発(同)を訪れ、閉店を伝えた。

 セブン&アイHDはそごう徳島店のほか、そごう西神店(神戸市)、西武大津店(大津市)、西武岡崎店(愛知県岡崎市)の3店舗を来年8月末に、そごう川口店(埼玉県川口市)を21年2月末に閉めることを決定した。西武福井店(福井市)、西武秋田店(秋田市)は営業面積を21年2月末に縮小する。

解説「郊外店や人口減で苦境」

 全国で地方百貨店の苦戦が続いている。そごう1店舗しかない徳島も例外ではなかった。少子高齢化で人口が減り、郊外に大型量販店が進出し、インターネット通販も拡大する中、かねてから県民が懸念していた事態が現実となった。「県内唯一の百貨店」「県都の玄関口の顔」がなくなる衝撃は計り知れない。徳島市、県、経済界は協調して一日も早く対応策を打ち出す必要がある。

 そごう徳島店は、開店から10年間は売り上げが右肩上がりで黒字を維持していた。しかし、近年は郊外の大型店舗の開業などによって競争が激化。セブン&アイHDは、市場としての地域の成長性も踏まえ、業績回復の見込みがないとの判断に至った。

 そごう徳島店の灯が消えれば、深刻な徳島市中心市街地の空洞化がますます加速することは想像に難くない。今でも人気の催事には大勢の買い物客が訪れており、お中元やお歳暮、贈答品は百貨店で購入するという人も少なくない。

 閉店まで残された時間は10カ月強と多くない。官民挙げて、仕事場を失う従業員の支援はもちろん、閉店後の施設活用策の検討などに、危機感を持って取り組まなければならない。駅前地域の在り方も真剣に問うべきだ。

そごう徳島店と主な周辺商業施設の動き

1983年10月 徳島そごう開業

 93年4月 徳島駅クレメントプラザが開店

 95年3月 丸新百貨店が閉店

2000年7月 徳島そごうが民事再生法の適用を申請

 01年10月 紀伊國屋書店を誘致

 10年10月 大手生活雑貨専門店「ロフト」を誘致

 11年10月 カジュアル衣料「ユニクロ」を誘致

 13年7月 とくしまCITYが閉店

 16年3月 7階以上(一部スペースを除く)の賃貸契約を解消し、売り場面積を縮小