「納得できるまで描き切れた」と振り返る坂賀さん=城南高

受賞作「つまみ食いしているのは誰?」

 徳島市のあわぎんホールで開かれている第74回徳島県美術展のデザイン部門で、特選に選ばれた城南高3年の坂賀泉美さん(17)。公開審査で自分の名前が呼ばれる瞬間に立ち会った坂賀さんは「入賞候補に残った時点で手足が震えていた。受賞が決まった時はびっくりして何が起こったのか分からないほどだったけど、翌日の新聞を見て実感が込み上げてきた」と喜びをかみしめる。

 受賞作の「つまみ食いしているのは誰?」は、冷蔵庫の奥から見た世界を魚眼レンズで捉えたような視点が面白い作品だ。大小さまざまなネコたちが食べ物をつまみ食いしたり、持ち帰ろうとしたり。温かいタッチで細部まで丁寧に描き込まれ、いつまでも眺めていたくなる魅力がある。

 着想を得たのは、家族で実際に使っている冷蔵庫から。食べ物がいつの間にか無くなっているのに、誰がつまみ食いしたのか分からず「もしかすると本当にネコが壁に穴を開けて忍び込んでいるのかも」と空想した。

 描かれている食品のパッケージには「タピオカふりかけ」とか「ししゃも」ならぬ「しゃしゃも」と書かれ、遊び心がちりばめられている。締め切り直前の約10日で一気に描き上げ「細か過ぎて無理かもと思ったが、描きたいものだったので楽しく筆が進んだ。これまでの経験が実り、スピード感を持って納得できるまで描き切れた」と振り返る。

 絵画に興味を持ったのは小学生の頃。小さい頃から漫画が大好きで、自然と絵を描くようになった。小松島中では美術部に所属し、3年の時には風景画で「こども県展」の県議会議長賞も受賞している。

 それでも、楽しみながら描けるようになったのは最近のこと。段取りよく制作できるようになり、自分の本当に描きたいものが見えるようになった。高校の美術部で毎日練習を重ねたからこそだ。

 将来の夢は漫画家になること。大阪の芸術系大学の漫画を学べるコースに進学する予定だ。「かわいくて楽しい私独自の世界観を大切にしながら、奥深いストーリーで読み手を引き込める作品を生み出したい」と、ますます意欲を燃やしている。