全国大会に向けて練習を重ねる(左から)槇本さん、福島さん、伊月さん=徳島北高

四国大会で徳島北の3人が生けた(左から)福島さん、伊月さん、槇本さんの作品=高松市

 高校生が生け花の腕前を競う「花の甲子園2019」(池坊主催)。夏休みに高松市で開かれた四国大会には、徳島北、徳島市立、城南など9校が出場した。美しさ、チームワーク、プレゼンなどが審査された結果、徳島北が頂点に立ち、3連覇を達成した。11月17日に京都市で開かれる全国大会に四国代表として出場する。

 徳島北高は2年の伊月茉奈さん(16)、槇本妃南さん(17)、福島梨々花さん(16)の3人によるチーム「北翠」で出場した。メンバーは「先輩が2連覇していたことがプレッシャーだったので、喜びよりもまず安心した」と胸をなで下ろす。

 練習では全体の構成をイメージして生け込みを繰り返してきたが、本番では大会側が用意する花材を使うため、思い通りの花材がそろうとは限らない。

 槇本さんに用意されていたのは、赤色が鮮やかなアンスリュームなど。「使ったことが無い花材だったので、むしろ思い切って生けられた。正解かどうか不安だったが、審査員に『きれい』と言ってもらえてうれしかった」。本番での機転が奏功し、投票で選ばれる個人賞でもチーム最高の3位を受賞した。

 30分という制限時間は、一つの作品を仕上げて机の上を美しく整頓するには短過ぎるほど。作業がスムーズに進むよう、仲間同士の気配りも欠かせない。

 伊月さんが「シルバーミラー」と呼ばれる細長い装飾素材を折ってしまい、パニックに。そんな時、チームメートが手を差し伸べてくれた。テープで補修してもらいながら作業を続け完成させることができた。「時間との戦いなので焦りがあった。そんな時に仲間がサポートしてくれて心強かった」と伊月さん。

 福島さんはプレゼンで大きな役割を果たした。3人が「もしかすると作品より重要かもしれない」と話すとおり、3分間の作品解説も勝敗を左右する大きな要素だ。良く通る声で堂々と話す福島さんのプレゼンはメンバーからの信頼も厚い。今回も好印象を与える発表だった。福島さんは「毎日のように練習していたので、原稿に頼らず落ち着いて自然体でプレゼンできた」と振り返った。

 3人とも高校入学を機に華道を始めた。まだまだ新たな発見の連続だが、練習するごとに生け花への愛着を深めている。

 華道部で指導する宮内瑞雲さん(池坊徳島支部長)は、徳島北のメンバーを「それぞれに個性がありながらも、全員に素直さがあることが魅力」と評する。チームメートを思いやり、自然体で花と向き合えるからこそ、全国大会の切符をつかめたのだろうと言う。

 全国では、3人が3作品を生けた四国大会とは違い、3人で一つの作品を作る。課題は「私たちの故郷」。徳島らしく阿波踊りをテーマに据えて、プレゼンでもうちわや法被などの小道具を使う予定だ。これまで以上に派手な演出をしようと画策している。

 今や全国大会の常連となった徳島北。だが、全国での入賞経験はまだない。「四国大会の時以上にチームワークが求められる。お互いの特徴をつかめるよう練習を重ねて、初の入賞を目指す」と声をそろえた。

 花の甲子園 3人1組で競うチーム戦で、制限時間は30分。四国大会では3人がそれぞれ作品を仕上げたが、全国大会では10分ずつ交代し、連携して1作品を完成させる。