15日、JAバンク徳島スタジアムで行われた野球独立リーグのグランドチャンピオンシップ(GCS)最終第5戦で、四国アイランドリーグplus(IL)の徳島インディゴソックスは4―3でルートインBCリーグ(BCL)の栃木に競り勝ち、3勝目を挙げて優勝した。徳島は一回に3点を先制されたものの、一、二回に1点ずつ返し、五回に2点を奪って逆転。一回途中から登板したエース竹内が2安打無失点と好投した。3戦先勝方式のGCSは、徳島が第1、第3戦、栃木が第2、第4戦を制していた。四国ILの年間優勝チームがBCL覇者を下したのは2年ぶりで、徳島の独立リーグ制覇は2年ぶり3度目。最優秀選手(MVP)には徳島の竹内が選ばれ、敢闘賞は栃木の若松が受賞した。

 [評]徳島は投打がかみ合い、逆転勝ちした。1点を追う五回、球斗の安打を足場に1死一、三塁とし、横溝の二ゴロで同点。続く吉田の左越え二塁打で勝ち越した。一回は横溝の二ゴロ、二回は友居の二塁打でそれぞれ1点を挙げた。先発安藝が栃木に3点を許したが一回2死から救援した竹内が九回まで投げ、被安打2の無失点に抑えた。

 徳島・牧野監督 5試合とも簡単ではなかったが、苦しい中でも選手たちは諦めずに戦った。第5戦は序盤に1点ずつ返したのが大きい。竹内は素晴らしい投球をしてくれた。総力戦で勝ち取った優勝だ。

 栃木・寺内監督 徳島はチャンスになるとまとまりがあるチームだった。気持ちで上回ろうと臨み、ミスもあったが選手たちは最後までよくやってくれた。勝てなかった責任は監督にある。

 徳島・平間主将 チームのいいものが全て出せた第5戦だった。短期決戦はミスも出るが、それをカバーできるチームになった。3点取られても勝てると思っていたし、選手とスタッフ全員で勝ち取った日本一だ。

 (チーム初安打で反撃につなげ) 「最後は優勝したい気持ちが強かった。2年間使ってくれた首脳陣に感謝している。今季は野球人生の中でも特別な経験ができた」

 安藝(GCS最終戦で今季初先発) 「緊張してがちがちだった。初球はうまく入れたが、その後を抑えられなかった。この経験を必ず来季に生かす」

 栃木・谷津主将 リーグ戦で3点しか取れないような試合はあまりなく、僅差のゲームでの勝負強さが足りなかった。雰囲気にのまれた部分もあった。

徳島対栃木 5回裏、徳島2死二塁、吉田が左越え二塁打を放ち4―3と勝ち越す=JAバンク徳島スタジアム

 仲間信じ泥くさく得点

 長打力がない分、単打をつなぎ、足でかき回して泥くさく走者をかえす。徳島はシーズンの戦い方そのままに、粘り強い打線と投手力で、初の日本一を目指した栃木の挑戦をはね返した。平間主将は「ほっとした。最後は優勝したい気持ちの強い方が勝つと思っていた」と喜びに浸った。

 苦しい立ち上がりだった。一回に先発の安藝が栃木打線に捕まり3点のビハインド。しかし、ここから打線が奮起する。牧野監督が「第5戦は四球が鍵を握る」と話していた通り、四球からチャンスをつくりまず1点。二回にも友居の二塁打で1点差に詰め寄った。

 出塁すれば、後ろがつないでかえしてくれる。仲間を信じて得点する徳島のスタイルは五回に表れた。先頭の球斗が安打で出ると、3番の岸がきっちり送りバント。横溝の内野ゴロで追い付き、最後は吉田が逆転打を放った。吉田は「GCSで打てていなかった。絶対決めてやると思っていた。いい形で締めくくれた」と喜んだ。

 総力戦でつかんだ2年ぶりの日本一。スタンドから優勝を祝う紙テープが舞う中、5回宙に舞った就任1年目の牧野監督は「短期決戦の総力戦の中で、チームとして一戦ごとに成長した」と選手をたたえた。

優勝が決まった瞬間、マウンドで喜びを爆発させる徳島の竹内

 竹内 気迫の好救援

 エースの気迫が日本一を引き寄せた。一回に3点を先行され、なおも2死二塁のピンチでマウンドに上がった徳島の竹内。後続を三振に切って取ると最後までテンポ良く投げ抜いた。「気持ちだけは負けたくなかった」。最後の打者を左飛に打ち取ると両手でガッツポーズをつくり、雄たけびを上げた。

 第3戦で先発して7回を投げてから中1日での登板。リードされていたことがプラスに働き、気負うことなく自慢の直球でぐいぐい押した。ただ、「栃木の打者は打席に立った時の圧がすごかった」と話す。目の前の打者からアウトを一つずつ重ねることに集中し、隙を与えなかった。

 最大のピンチだったのは五回。四球と安打で無死一、二塁に。相手の送りバントに好フィールディングで三塁への進塁を阻むと、その後は三振と右飛に打ち取った。エースの好投に応えるかのように、打線は直後の攻撃で逆転に成功した。

 昨季はリーグ優勝もかなわず、悔しさを味わった1年だった。今季はチームをけん引し、目指した頂上にたどり着いた。「エースとして投げられて幸せだった」。最高の笑顔でシーズンを締めくくった。