国会の怠慢を指弾した判決である。重く受け止めなければならない。

 「1票の格差」が最大3・00倍だった7月の参院選は、投票価値の平等に反し違憲だとして、「徳島・高知」と香川、愛媛の3選挙区の有権者が選挙無効を求めた訴訟で、高松高裁は「違憲状態」との判断を示した。

 裁判長は格差を「常識的に許容し難く、最大1・98倍だった2017年10月の衆院選に大きく劣後している」と指摘。国民の権利意識が強くなっていることも挙げ、「投票価値の著しい不平等状態にあった」と認定した。

 最大格差3・08倍だった16年参院選の違憲訴訟で、最高裁は合憲と判断している。7月参院選は格差が縮小しているにもかかわらず、高松高裁はなぜ違憲状態としたか。

 判決では「昨年の改正公選法は弥縫策にすぎず、格差是正が放置されたまま今回の選挙を迎えた」と断じた。

 格差是正に向けた国会の努力不足は明らかだ。

 14年に最高裁は格差4・77倍だった13年参院選を違憲状態と判断。対応を求められた国会は「徳島・高知」「鳥取・島根」の合区導入を含む定数の「10増10減」を決めた。合区に抵抗感のあった自民も、小手先の手法としながらも16年参院選を乗り切るために賛成に回った。

 その際、改正公選法の付則に「19年の参院選に向け、抜本的な見直しを引き続き検討し、必ず結論を得る」と盛り込んだ。このため、16年参院選については、合区による格差縮小に加えて付則が「立法府の決意」と評価され、最高裁に合憲と認められた。

 ところが、昨年の公選法改正は抜本的見直しに程遠く、合区であぶれた議員を救済する特定枠を設けるなどして6増させた。特定枠は自民党のお手盛りそのもので、格差是正に向けては、埼玉選挙区を2増しただけだった。

 司法は、こうした口先だけの国会の姿勢にノーを突きつけたといえる。

 今回の判決に、本県など「合区」の選挙区では、合区の固定化や拡大を懸念する声が上がっている。

 判決では「合区がどうしても弊害が多い制度であるというのであれば、都道府県単位を離れた新たな選挙制度改革を検討するべきだ」と国会に改革を促している。

 選挙制度の抜本的見直しは急務だが、着地点がなかなか見いだせない。自民は合区解消へ憲法改正を主張し、改憲に否定的な他党はブロック制の導入や合区拡大の改革案を譲らない。

 党利党略が絡み、各党の思惑がぶつかり合うだけでは活路は開けまい。

 議論すべきは、参院の在り方だろう。「衆院のカーボンコピー」と言われて久しい参院を「良識の府」として機能させるにはどうすればいいか。目指すべき姿が決まれば、それに見合う選挙制度が見つかるはずだ。