四国4球団と関東・北信越11球団の頂点を争うグランドチャンピオンシップの最優秀選手(MVP)に輝き、牧野塁監督らに続いて胴上げされた。「野手のみんなに助けてもらった。チーム全員がMVP」。ヒーローインタビューでは仲間への感謝の言葉を真っ先に口にした。

 5戦のうち勝った3試合で投げ、エースの務めを果たした。最終第5戦は中1日で一回途中からロングリリーフ。気迫の投球で元プロ野球選手を含む栃木の強力打線を2安打に抑えた。

 昨年、鶴見大から入団。ドラフト候補として期待されたが、結果を残せなかった。筋力トレーニングで基礎体力を上げ、144キロの球速は152キロにアップ。変化球にも磨きをかけ、今季の前期は5勝を挙げたが、前期優勝が懸かった最終戦は1回も持たずに降板。7月は右肘痛もあり、一時戦線を離脱した。

 投げられない間、自分自身を見つめ直した。ドラフトを意識し、結果を出さなければならないという重圧があった。「マウンドに立てば一球一球投げるだけ」。原点に立ち返り開き直った結果、後期終盤には24イニング無失点など圧巻の投球を見せ、今季最多の8勝を挙げた。

 「どん底を味わってはい上がってきた選手は強い」。牧野監督は淡々と投げていた前期に対し、後期は感情を表に出して打者に向かっていく姿に精神面の成長を感じたという。

 日本一は達成した。昨年かなわなかった日本野球機構(NPB)入りには「自分の持っている力は出し尽くした。あとは待つだけ」とドラフト会議が行われる運命の17日を迎える。東京都世田谷区出身。23歳。