「継続した報道が同性パートナーシップ制度導入の後押しになる」と力を込める長坂さん=徳島市内

 性的少数者(LGBT)らのカップルを公的に認める「同性パートナーシップ制度」の導入を進めようと、レインボーとくしまの会を9月に設立しました。

 設立準備をしていた7月末に「新聞に取り上げてもらってはどうか」と支援者に言われ、悩みました。同性愛者なので、顔と名前を公表すれば両親や親類に迷惑が掛かると思ったんです。

 一方で、LGBTに理解を深めてもらうには「自分が前面に立たないといけない」との気持ちも強く、活動を知ってもらうために取材を受けました。記事の反響は大きく、経営する飲食店に大勢の当事者が来たり、電話がかかってきたりしました。街頭で署名活動をすると「新聞見たよ」と激励されました。

 電通の2018年の調査によると、LGBTに該当する人は8・9%。「周りにはいない」との反論も聞きます。でも、それは違います。大半は学校や職場での差別を恐れ、隠しているのです。「社会に認められていない」と悩み、自殺したり引きこもったりする人も多いです。自分も自殺しようと思ったことがあります。

 県内の全市町村がパートナーシップ制度を導入し、県民への啓発に力を入れてほしいと思っています。徳島市議会への陳情は継続審査になりました。しかし、粘り強く訴えていきます。

 パートナーが家族と同等の関係であると示す証明書を発行するだけで、病院での面会や生命保険の受け取りなどができるようになります。既に全国の27自治体で導入され、導入を決めた自治体も増えています。

 LGBTへの差別は人権問題です。自治体にはそうした意識を持ってほしい。新聞は、当事者の声なき声に耳を傾け、これからも団体の活動を取り上げてほしいです。それが制度の導入を後押しします。

 ながさか・わたる 高校卒業後、大阪市のゲイバーなどで働き、21歳の時に徳島市に会員制ゲイバーを開店。2008年、誰でも入店できるバー「BITCH」をオープンした。レインボーとくしまの会代表として署名活動や勉強会の開催、市町村議会への要望活動を行っている。