徳島県鳴門市在住の児童文学作家くすのきしげのりさんがストーリーを手掛けた絵本の最新作「6600万年前……ぼくは恐竜だったのかもしれない」(知楽社)が19日に発売される。恐竜ドラコレックスの家族を通して、恐竜の絶滅と親子の愛を描いた感動の物語。絵を担当するのは、現代版水墨画と呼ばれる筆で恐竜を描く新進気鋭の恐竜画家CANさん。ひと足早く読んだ読者からは「涙が止まらない」「親子で楽しめる」との感想が相次いでいる。

 物語の舞台は、ドラコレックスの家族が暮らす6600万年前のアメリカ大陸北西部。アラモサウルスやトリケラトプス、ティラノサウルスにケツァルコアトルスなど、たくさんの恐竜・翼竜が登場してハラハラしたり、ドキッとしたり…。その時、恐竜絶滅の引き金となる隕石(いんせき)が落ちてくる。地震や津波、噴火や火災が世界中で起きる中、ドラコレックスの家族も噴石に巻き込まれ、残念ながら命を落としてしまう。その後、舞台は現代に移る-。

 先行読者からは「どうしようもなく悲しい物語だからこそ、リアル。子どもにつなげていきたい”想い”があります」(32歳・女性)、「読み終えてから、表紙とタイトルを改めて見直したら、すべてがつながっていることに気がついた。言葉にはしにくいけど、”いのち”って、そういうことなんだ」(29歳・女性)、「これは物語。でも、家族を守りたいという気持ちに嘘はないと信じられるのは、僕も父だからだろうか」(33歳・男性)などと感動の声が寄せられている。

 こうしたストーリーを盛り上げているのが、絵本を手掛けるのは今作が初めてながら恐竜を知り尽くしているCANさんの絵だ。ティラノサウルスがドラコレックスの親子を襲おうと現れる場面では、 墨と筆が生み出す繊細かつ大胆なタッチが迫力を生んでおり、読者は「あまりの迫力に4才の息子が後ずさりして泣いてしまいました(笑)。でも小学生のお兄ちゃんは『すごい!かっこいい!』と大興奮。このページが一番のお気に入りです」(36歳女性)と高く評価する。
 

 「子どもは恐竜が好きだけど自分は…」という父母も一緒に楽しめるように「恐竜探し」のコーナーも設けられている。作品には総計30種の恐竜や翼竜、首長竜が登場するため、全て探すのは大人にも難しいレベルとあって、挑戦しがいがありそうだ。このほか、遊びながら学ぶことができる全国14カ所の恐竜博物館の情報も掲載されている。読み終えた後に家族で出掛ければ、絵本の世界とリンクしたリアルの世界で新たな体験を共有することができる。

■くすのき しげのり
 1961年生まれ、徳島県鳴門市在住。児童文学作家。絵本「おこだでませんように」(小学館)が2009年に、「メガネをかけたら」(同)が2013年に、全国青少年読書感想文コンクール課題図書に選定される。「Life(ライフ)」(瑞雲舎)、「ええところ」(学研)、「いちねんせいの一年間」シリーズ(講談社)、「すこやかな心を育む絵本」シリーズ(廣済堂あかつき)、「あなたの一日が世界を変える」(PHP研究所)など、100タイトルを超える児童文学作品は日本および海外で広く読まれている。

■CAN
 1990年生まれ、大阪在住。恐竜画家。創作空間 caféアトリエオーナー。恐竜研究家を目指し信州大理学部に入学。卒業後は2017年に創作空間caféアトリエを開業。現在は各種文献やフィールドワークから得た恐竜の知識を生かし、現代版水墨画と呼ばれる筆を用いた恐竜の作品を描く。正確な恐竜の知識と、独特の筆さばきから生まれる作品は海外からの評価も高い。

■「6600万年前……ぼくは恐竜だったのかもしれない」
 ISBN:978-4-07-341110-9
 作:くすのき しげのり 絵:CAN
 出版年月日:10月19日
 価格:本体1500円+税
 発行:知楽社
 発売:主婦の友社