勝負は時の運という。スポーツ選手にとっての運、最たるものの一つがプロ野球ドラフト会議である。抽選の結果、育成上手の球団に決まったのは、幸運と呼んでいいのだろう

 鳴門市出身の河野竜生投手が、日本ハムから1位指名を受けた。甲子園を沸かせたあの投手といえば、ご記憶の方も多いはずだ。現在、JFE西日本。地道な体づくりが奏功し球速は151キロまで伸びた。厳しい練習に耐え得る体を授かったのも、運の一つといっていい

 ヤクルトの6位、武岡龍世内野手は吉野川市出身、青森の八戸学院光星高。「気を引き締めて頑張りたい」。両親と手を取り合って涙を流した。初々しい今の気持ちを大切に

 孫のプロ入りに、「うれしい」と手話で応えた、祖父森本弘司さんと祖母ミチ子さんの喜びは、どれほどか。親族の様子を伝える18日付本紙社会面に、胸が熱くなった。共に耳が不自由だという

 大工と内職で一家を支えてきた。苦労もしてみるものである。成長を楽しみにしていた孫がついに。「幼い頃、泣き虫だった龍世に、今度は自分が泣かされるようになるとは」。巨人びいきも今季限りだ

 牟岐町出身、徳島インディゴソックスの平間隼人内野手は巨人の育成1位。今年は本県関係の指名が多く、全員紹介できない。うれしい悲鳴とはこういう時に使うのだろう。