JR四国と四国4県は18日、路線網維持への将来像を話し合う「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会II」の第5回会合を徳島市で開いた。新幹線整備を軸に四国の公共交通網を再構築し、交通機関の維持や向上を図る中間整理案が了承された。

 4県や国、経済団体の関係者、学識経験者ら18人が出席。JR四国の担当者が、過去の会合での意見を踏まえ「新幹線を骨格とした公共交通ネットワークの構築」を柱に据えた整理案を提示した。

 これに対し、香川県の浜田恵造知事が「人口流出や企業の転出を防ぎ四国の活力を維持するには新幹線が必須」と強調。経済界や大学教授らからも、交流人口の拡大、災害時の基幹交通網としての活用などの面から、新幹線の整備推進に賛同する声が相次いだ。

 徳島県の飯泉嘉門知事は「牟岐線に導入した(一定の周期で列車を走らせる)パターンダイヤなど、利便性を高める工夫を四国全域で行うべきだ」などと提案した。

 一方、オブザーバー出席の国土交通省の担当者は新幹線を前提にした議論に「新幹線は災害時に止まることもあり万能ではない。整備は別の時間軸で議論すべきだ」と苦言を呈し「まずは県ごとの検討とJR四国による経営努力をしっかり進めてほしい」と述べた。

 整理案にはこのほか、公共交通網のあり方とJR四国の経営は切り分けて議論していくことや、当面の取り組みとして、駅を中心とするまちづくりによる利便性向上や利用促進活動などを検討していくことを明記した。

 赤字が続く経営状況への支援策については「国と引き続き議論する」との認識を盛り込み、地方負担については触れなかった。会合で半井真司JR四国社長は「自助努力を超えた部分についてどのように支えてくれるのか。国と相談していきたい」と述べた。

 懇談会では現在、県別に進めている公共交通ネットワーク構築の議論を本年度中にとりまとめることにしている。

 中間整理案の骨子

 ◆新幹線を骨格とした公共交通ネットワークの構築

 四国新幹線の整備、公共交通を生かすまちづくり、利用しやすい交通サービスにより、持続可能な公共交通ネットワークを目指す

 ◆主な取り組み

 駅を中心としたまちづくり

 地域に合ったより良い公共交通の検討

 交通モード間の連携強化

 利用環境の充実(バリアフリー化、ICカード導入など)

 地域経済政策・健康福祉政策との連携

 公共交通利用促進活動

 観光・インバウンドによる利用促進