観光列車で結婚式を挙げ、祝福される新郎新婦=三好市の大歩危駅

 JR四国の観光列車「四国まんなか千年ものがたり」を式場にした結婚式が26日、初めて行われ、三好市の大歩危駅や阿波川口駅などで沿線の住民らが新郎新婦の門出を祝った。

 式を挙げたのは、吉野川市出身の十川昂広(そがわたかひろ)さん(30)=高松市、会社員=と、香川県観音寺市の木川(きがわ)奈美さん(29)。十川さんと、木川さんの父が鉄道ファンだったことから、平日に貸し切り運転をしている同列車での挙式を思い付き、JR四国に申し込んだ。

 香川県側の発着点の琴平駅で人前式を行い、家族や友人ら48人と一緒に乗車。車内の結婚披露パーティーで特別料理と車窓の絶景を楽しんだ。

 大歩危駅では、地元住民ら約20人がほら貝を吹き鳴らし、妖怪の着ぐるみも登場して祝福。新郎新婦らはホームでウエディングケーキ入刀や記念撮影をし、琴平駅に戻った。

 他の沿線でも住民が手作りの横断幕を用意したり、手を振ったり。新郎新婦は「たくさんの人が祝ってくれた。忘れられない一生の宝物」と喜んだ。