2014年4月、人工ひれを装着し、水槽を泳ぐアカウミガメの「悠ちゃん」=神戸市立須磨海浜水族園

 神戸市立須磨海浜水族園は、両前肢の一部を失い人工ひれで泳いでいた雌のアカウミガメ「悠ちゃん」(推定年齢30~40歳)が、病気で衰弱して死んだと19日までにホームページ(HP)で明らかにした。2008~10年に2回療養していた美波町の日和佐うみがめ博物館カレッタの関係者から悲しみの声が上がった。

 HPによると、今年9月中旬から健康状態が悪くなり、同月26日に死んだ。「全国から多くの方が会いに来てくださいました。これまでのご支援感謝いたします」としている。11月3日まで園に献花台を設ける。

 悠ちゃんは08年、紀伊水道で保護された。両前肢はサメに襲われたとみられ、09年に人工ひれの開発がスタート。試行錯誤を経て14年に完成した。
 08年12月~09年5月と09年12月~10年4月に避寒のため、カレッタで過ごした。治療に当たっていた田中宇輝学芸員は「残念の一言に尽きる」と話した。

 美波町の小学生が人工ひれ開発のアイデアを出すなど、地域の関心を集めていた悠ちゃん。当時館長だった豊﨑浩司・町議会事務局長は「おとなしかった印象がある。本当に驚いた。安らかに眠ってほしい」と語った。