ふるさと納税で寄付した人に自治体が贈る返礼品の調達額について、総務省が寄付額の3割を上限の目安として示したことを受け、徳島県内の自治体でも返礼品の在り方を見直す動きが出ている。総務省によると、県内で2015年度に返礼品調達費の総額が寄付総額の3割を超えていたのは石井町など3市町。同町は1日から、総務省方針に合わせ、寄付額と返礼品の設定を見直した。
総務省によると、調達費の割合が30%を上回っていたのは石井町(60・7%)と鳴門市(35・7%)、徳島市(33・9%)。
コメや野菜の詰め合わせなどを贈っていた石井町は1日から寄付額と返礼品のマッチングを変更した。例えば5千円の寄付に対する3千円相当の返礼品を、1万円の寄付に対して贈るようにした。
鳴門市は、10万円の寄付に対して贈っていた4万円分の市内のリゾートホテル利用券を3万円に減らすなど、一部を修正。ただ、返礼品を扱う事業者と17年度の交渉を終えているケースもあり、「すぐには対応できないものもある。今後、他の自治体の動きも見ながら検討したい」としている。
コメや藍染タオルなどを返礼品としている徳島市は「現時点では協議できておらず、対応できていない」とした上で「総務省の通知の内容を精査し、他の市町村の動きも見ながら対応していきたい」と答えた。
総務省の方針は、返礼品競争の過熱に歯止めをかけるのが目的。強制力はないが、見直し状況をチェックして自治体や仲介業者らに改善を促していく。
この方針に関し、飯泉嘉門知事は3日の定例会見で「ふるさと納税の本来の趣旨から逸脱してきたのが今回の問題であり、やむを得ない」と上限設定に理解を示し、「行政や納税者に趣旨を理解してもらう一つのきっかけにすべき、と前向きに捉えたい」と述べた。