徳島県職員の残業時間が増加傾向となる中、県が働き方改革に本腰を入れている。2020年度当初予算編成に向けた作業日程を1カ月程度前倒ししたほか、10月からは毎週月曜日に行われていた定例会見を準備がしやすい金曜日に変更。人工知能(AI)の導入も進めるなど、効率的な行政運営に取り組んでおり、県人事課は「残業時間を前年度より10%程度削減できる」と見込んでいる。

 県人事課によると、知事部局の月平均残業時間は2009年度に12・4時間だったが、年々増加し、18年度は21・7時間と過去10年で最長となった。県人事委員会の規則で定める上限の年間360時間を超えている職員は全体の24・7%に当たる748人。37人が年間1千時間を超え、最も多い職員は1588時間だった。

 知事部局の職員数は09年度に3272人だったが、行財政改革で18年度には3026人まで減少。一方で、頻発する災害への対応など、職員の負担が増している。18年度は大阪府北部地震や西日本豪雨など災害が相次ぎ、被災地派遣の調整や県内の防災点検などで残業が増えた。

 こうした状況を踏まえ、現在行っている20年度当初予算編成では、日程の1カ月前倒しのほか、これまで夏に新規事業の方向性を知事と検討していた「サマープロデュース」を廃止。編成作業にゆとりを持たせた。

 定例会見前には、各課の担当職員が想定される質問と答弁などをまとめているが、土日曜日のニュースへの対応で休日出勤を余儀なくされていた。会見日を金曜日に移すことで、そうした負担を軽減できると見込んでいる。

 災害時には被害の確認や報告が必要で、それぞれの課の職員が待機などで時間外勤務をしていたが、複数の課が連携して業務に取り組むことで対応する人数を減らしている。

 昨年度からは、AIを活用して「被災者支援資金」などの問い合わせに自動的に答えるシステムを導入したり、定例会見や各審議会の文字起こしを自動化して議事録作成を省力化したりしている。

 県人事課は「働き方改革を進めることで業務の質が改善し、新たな発想が生まれるなど県民サービスの向上につなげたい」としている。