女子バレーボール 西川有喜(16)=(金蘭会高1年、徳島市出身)

高さを生かした攻撃で春高バレーでも活躍した金蘭会高の西川。攻守の要として期待される=2017年1月6日、東京体育館

 女子バレーボールの全国屈指の強豪校として知られる金蘭会高(大阪市)の中でも、ひときわ目立つ長身アタッカーだ。身長180センチ。1年生ながら冬休みに行われた全日本高校選手権(春高バレー)にほぼフル出場。高さを生かした強打で3位入賞に貢献し、存在感を示した。

 「強気でスパイクを打てたのがよかった。今の力は出し切れた」と振り返った。
 「長身の割に動きが機敏で、オールラウンダーの素質がある」とは池条義則監督の評。春高バレーでは当初控えの予定だったが、年末の合宿で動きが光り、大会直前に先発に抜てきされた。後衛に回ってもベンチに下がることはなく、レシーバーとしても力を発揮した。

 富田中時代は県総体の2位が最高だった。3年時にJOCジュニアオリンピックカップの徳島県代表選手に選ばれ、金蘭会高で合宿した時に、池条監督から勧誘され、親元を離れてエリート選手が集まる同校へ進学した。「ライバルが大勢いるチームに入って、レギュラーを勝ち取ってみせる。そして、全国一になりたい」

 バレーざんまいの毎日だ。朝6時に起床し寮を出て、授業の前にまず朝練。放課後は4時前から夜8時まで練習する。走り込みや倒立、跳び箱などで脚力や腕力を鍛え、中学時代と比べて体力やスタミナが付いた。全日本代表にもなった3年生アタッカー宮部藍梨や、富田中から一緒に進学した平川歩実らと技術を磨き合った。

 主にレフトアタッカーを務めるが、センター、ライトもそつなくこなし、攻守の要として期待される。「スパイクだけでなく、拾ったり打ったりできる器用な選手になりたい」と本人も貪欲さを見せる。決めきれるスパイクが打てるようになったほか、相手を見て打ち方やコースを変えることができるようになり、自分なりに成長を実感した一年だった。

 昨年8月には日中韓バレーの日本代表に選ばれ、優勝の立役者になった。「初めての国際大会で不安もあったが思い通りのプレーができた」と自信を付けた。長身でハイセンスな大器として雑誌にも大きく取り上げられた。

 大舞台での経験を重ねる1年生アタッカーは「コートの中では気持ちを前面に出さなければ。精神面でもっと成長したい」と話し、金蘭会高のエースになることを誓った。

 

 にしかわ・ゆき 昭和小2年の時、昭和ブライターズでバレーボールを始めた。富田中ではエースアタッカーとして活躍し、徳島県総体で準優勝。3年時にはJOCジュニアオリンピックカップの徳島県代表に選ばれた。1月の全日本高校選手権ではスタメンに起用され、準決勝進出に貢献した。徳島市南昭和町生まれ。180センチ。

 高さを生かした攻撃で春高バレーでも活躍した金蘭会高の西川。攻守の要として期待される=1月6日、東京体育館