人手不足に悩むコンビニ各社が、シニアをアルバイト店員として採用している。かつては若者が主力だったが、労働人口減少に伴う有効求人倍率上昇で店員の確保に苦慮し、新たな労働力として定年退職者を含む層に注目した。徳島県内でも2月、セブン―イレブン・ジャパン(東京)が美馬市で四国初の「シニア向けお仕事説明会」を開くなど、高年齢者採用の動きがみられる。
美馬市での説明会は高齢者らの就労支援につなげようと、市とセブン社が共同で同市穴吹町の穴吹農村環境改善センターで開催。20人が参加した。
セブン社の社員が、60歳以上でもレジ打ちをこなしていることや労働時間を自分で選べることなどを説明。実際にレジ打ち作業を体験してもらい、社員が商品のバーコード読み取り機の使い方やレジ操作を指導した。
セブン―イレブン美馬市穴吹町店の山口千代美マネジャーは「店に60代の従業員が2人いる。2月上旬にレジの機種更新があったが、2人とも対応できている」と説明。高齢者の就業については「早朝などの敬遠されがちな時間帯は、2~3時間でも助かる」と話した。
セブン社は昨年末までに全国で422回のシニア向け説明会を開いた。同社によると、シニアは自宅近くの店舗で働くことが多く、地域事情に詳しい。週末に運動会があれば早朝からおにぎりなどの食材を多めに発注するなどの貢献が期待できるという。
徳島労働局や県内8カ所のハローワークによると、高年齢者(55歳以上)も求人対象にしている県内の2月の有効求人数は4113人。このうちコンビニの求人は57件157人と、1月(52件139人)、昨年12月(45件112人)より増えており、コンビニがシニアを雇用しようという傾向がみられる。
コンビニ大手で昨年、アルバイト店員に60歳以上が占める割合は、セブン社0・6%、ローソン9%だった。ファミリーマート、ミニストップは把握していないとするが、両社ともシニア層が年々増えている実感があるとしている。