梅本浩志さん

 一度もトップを譲らず4年ぶりの都大路出場を決めた。「1区でトップに立ち、流れをつくれた」。理想のレース運びでV奪回を成し遂げた選手たちを笑顔で迎えた。

 喜びと同時に脳裏に浮かんだのが、都大路を逃した3年間の選手たちの記憶だった。「たすきと同じく、チームも先輩から後輩へ受け継がれる。悔しい思いが力になった」と振り返る。

 徳島東工(現徳島科技高)で陸上を始め、1、2年時にはレギュラーとして全国舞台を踏んだが、主将で迎えた3年時は故障で走れなかった。「自分の苦い経験を後輩たちにはさせたくない」。自らが味わった挫折が、教員を目指す上での大きな原動力となった。

 大阪体育大を卒業し、26歳まで一般ランナーとして徳島駅伝にも出場。富岡東高を皮切りに母校の徳島東工高、徳島科技高と監督歴は23年になる。指導の根底には現役時代に故佐野健次監督から受けた「負けじ魂」がある。2013年のレースでは胸の差で2位に甘んじた経験から、選手には「心技体」全ての強さが必要と常々話し、アスリートとして自らの行動に責任を持つ大切さを説く。

 17日に四国駅伝、そして12月22日には都大路での本番が控える。目標は2時間7分台。愛媛県予選では優勝した新居浜東高が2時間7分台で走っており「四国大会は本番に向けてのいいシミュレーションになる。簡単に四国王者にはなれないが、今の選手たちならチャレンジできる」。藍住町勝瑞で家族3人暮らし。49歳。