13日午前、牟岐町河内の民家に爆破を予告する電話があり、裏庭に不審な紙袋が置かれていた事件で、県警機動隊の爆発物処理班は、特殊車両を使って美波町の公園に運び出し中身を確認した。午後7時ごろ、爆発物ではないことが分かった。県警が脅迫容疑で捜査している。
県警によると、爆破を予告する電話を受けたのは住人の無職女性(69)。午前11時10分ごろ、公衆電話から男の声で「裏庭にダイナマイトを仕掛けた」と女性の携帯電話にかかってきた。女性が電話を切らずに裏庭を確認しに行くと、白っぽい紙袋が置かれていた。女性が自宅の固定電話から110番をしている間に携帯電話は切れた。
紙袋は持ち手が付いたタイプで、縦40センチ、横30センチ、幅15センチ。中にはガムテープで梱包(こんぽう)された茶色い紙箱(縦20センチ、横30センチ、高さ10センチ)が入っていた。
爆発物処理班は午後5時35分ごろ、紙箱を液体窒素で冷やした後、現場から美波町の公園に運び、中身を確認した。県警は、具体的な箱の中身を明らかにしていない。
女性は息子夫婦と3人暮らし。女性は「電話の声に聞き覚えはない。金銭を要求するようなことも言われた気がする」と話しているという。
現場は牟岐町役場の北約2・5キロの国道55号沿いの集落。県警は近隣の7世帯8人を近くの民家に避難させた。
近隣住民は6時間にわたって避難を余儀なくされた。女性(75)は「人騒がせだ。犯人はこんなのどかな田舎で何をするつもりなのか」と憤った。別の70代女性は「爆発物ではないと分かってほっとしたが、何も食べていない」と疲れた表情で自宅に戻った。