モラエス恋遍路のCDをPRする鶴澤さん=徳島市中常三島町2

 義太夫節三味線の鶴澤友輔さん=本名三木千佳子、徳島市中常三島町2=が作曲と演奏を手掛けた、新作阿波人形浄瑠璃「モラエス恋遍路」のCDが全国発売された。鶴澤さんは「阿波文化の粋を集めた作品を発信できてうれしい」と話している。

 モラエス恋遍路は、徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが原作と脚本を書き下ろした。鶴澤さんは作曲を担当し、上演を重ねながら少しずつ改作している。

 CDの収録時間は約40分。太夫の語りを生かせるよう、三味線の手数を減らす変更を加えている。2章立ての構成で、間奏にオリジナル曲も使った。

 太夫は鳴門市出身の竹本友代さん=本名大和君代、兵庫県姫路市=が務め、6月にビクター青山スタジオ(東京)で収録。本年度文化庁芸術祭参加作品のレコード部門(計33作品)に選ばれた。

 約2年前に日本伝統文化振興財団(東京)からCD化の呼び掛けがあり、瀬戸内さんらの許可を得て実現した。鶴澤さんは「愛する人を思うモラエスの強い感情を表現した。浄瑠璃にも現代的な作品があると知ってほしい」としている。

 税抜き3千円。モラエス会の丁山俊彦理事長らの寄稿などを掲載した解説書付き。問い合わせは日本伝統文化振興財団<電03(3222)4155>。

 モラエス恋遍路 2007年に徳島で開かれた国民文化祭のために瀬戸内さんが作った。ポルトガルの文人モラエスが亡き妻おヨネの古里・徳島市で晩年を過ごし、その姪コハルと繰り広げる愛憎劇。鶴澤さんは、師匠で人間国宝の鶴澤友路(ともじ)さん=故人=の推薦で作曲を担当した。現代語を義太夫節の節回しに当てはめるのに苦心しながら、完成させた。