タブレット端末を使って設備を操作する農家。センサー(手前)が温度や湿度を感知する=海陽町野江

 海部郡特産の促成キュウリの生産拡大に向け、郡内3町とJAかいふ、県でつくる「海部次世代園芸産地創生推進協議会」は、新規就農者のビニールハウスに、さまざまな機器を通信でつなぐ「モノのインターネット(IoT)」を活用して温度、湿度などの環境を自動制御する先端技術を導入した。経験の少ない生産者でも収量を確保できる仕組みをつくるのが目的。

 導入したのは、協議会が担い手育成のため開いている「海部きゅうり塾」の修了生のうち、キュウリの養液栽培を実施・予定する海陽町野江の7戸、美波町西河内の1戸の計8戸。ハウスはJAかいふが貸しており1戸当たり15~18アール。

 設備は、センサーが温度、湿度、二酸化炭素濃度を感知し、暖房機や水蒸気発生機などを使ってハウス内を栽培に適した環境に調整する。タブレットや専用端末で操作し、天窓の開閉といった作業も自動になる。自動車部品大手のデンソー(愛知県)が開発した。

 これまでにも温度などのセンサーは設置していたが、調整は手動で行っていた。生産者同士で栽培データの共有もできるようになり、互いに技術の向上を図ることができる。協議会はデータを蓄積し、日照時間や気温などに合った生産技術の確立を図る。

 協議会は昨年度に2戸のハウスで設備を試験的に導入。一定の効果が見込めたため、残る6戸に整備した。農林水産省の「次世代施設園芸拡大支援事業」などを活用し、整備費は8戸合計で約2800万円。

 昨年8月に就農した満尾匡記さん(35)=海陽町大里、大阪府出身=は「作業が効率的になり、温度なども思い通りに操れるため収量アップが期待できる」と話した。