シングルマザーで3児を育てる日菜あこさん(34)。撮影/鈴木ゴータ (C)oricon ME inc.

 藤田ニコルやみちょぱ、ゆきぽよなど、「頭の回転が早く礼儀正しい」進化系ギャルタレントの登場によって、ギャルの概念と立ち位置が変化しつつある現代。一方で、ギャルママに対しては、“若い=未熟”という偏見も根強い。当事者たちはこの現状をどのように捉えているのだろうか。元ギャルママモデルで現在はセミナーなどを通じて、新米ママたちに自身の体験を元にした独自の育児法を伝えている日菜あこさんに、話しを聞いた。

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■「そんなまつげで育児して!」と怒られた新米ママ時代

――現在、中3の長男、中1の長女、小5の次女の3人を育てる日菜さん。ギャルママ雑誌『I LOVE mama』(2014年休刊)では、表紙を飾る人気モデルの1人でしたよね。

【日菜さん】 24歳ですでに3児のママだったんですけど、当時『小悪魔アゲハ』の“ももえりちゃん(桃華絵里)”が大好きで。ももえりちゃんに会える企画に応募してイベントに行ったら、「今度『I LOVE mama』っていう新しい雑誌ができるんだけど、モデルやらない?」って声をかけてもらったんです。

――モデル当時、周囲の反応はいかがでしたか。

【日菜さん】 ネットで「子どもがかわいそう」とか、「子どもが子どもを生んで」って言われることもたくさんありました。電車に乗っていても年配の女性に、「そんなまつげで育児して!」って怒られたり、「自分にばっかり力を入れて子どもを見てないんじゃないか」って言われたりもしましたね。

――ファッションやメイクはだいぶ派手だった?

【日菜さん】 見た目はだいぶ派手でしたね。今は…自分的にはだいぶナチュラルになったと思っています(笑)。当時は、育児で家を出られない中で、自分ができる唯一のストレス発散がファッションとメイクしかなかったんですよね。

――周囲からいろいろ言われることに対しては?

【日菜さん】 つらかったし、見返すためにいいママになろうとするんだけど、うまくいかないことにすごく悩みました。でも、好きでもない恰好をして自分が自分じゃなくなったら、笑顔でいられなくなってしまうから。最終的に、子どもたちが幸せだと感じてくれればいいんだと思って、いろいろ言われたことが逆に頑張る力にもなりましたね。

――ギャルママに向けられる世間の目は、現在も厳しいように感じます。

【日菜さん】 私からみると、昔に比べてだいぶ理解されているように感じますね。前は“ギャルママ”という言葉もなくて、“ヤンママ”だったんですよね。ちょうど私が雑誌モデルをしていた頃からギャルママと呼ばれ始めて。当時は“見たことない新種”みたいに言われたけど、今は、そういうママもいるよねって認知してもらえてる気がします(笑)。

――理解が進んでいる?

【日菜さん】 ですね。偏見の目はだいぶ減っていると思います。それは、多様性を受け入れる時代になったからかな、と。ただ、やっぱり“ギャルママ=未熟なママ”っていうイメージはいまだにあると思います。だからこそ、そう言われないために頑張ってるママも多いんですよね。覚悟を決めて生んでいるし、若くして生んだから余計、ちゃんとしたいと思ってる。

――最近は、ギャルタレントも一時期の「おバカ」というイメージから、「外見は派手だけど頭の回転が早い」方が増えている気がします。ギャルママも、外見は派手だけど、しっかりお母さんをしている部分は共通していますよね。

【日菜さん】 ギャルって意外と真面目で、やりたいと思ってることを突き通す芯があるんですよね(笑)。

■ママに頼れる場所がないこと…もしかしたら児童虐待の原因のひとつかも

――それにしても、ギャルママへの偏見に悩んだ20代、派手な外見を変えようとは思わなかった?

【日菜さん】 いいママになろうと思って、やめたこともありました。髪も真っ黒にして、スニーカーをはいて。でも、そうしたら自分が自分じゃなくなっちゃったみたいでつらかったんですよね。同じような毎日の中で、何の楽しみもなくなってしまった。それに、そうしてもやっぱり年齢が若いからいろいろ言われて。結局言われるなら、自分の好きな格好をして、楽しい気持ちで育児したほうがいいなと思ったんです。

――意地みたいなものもあったんですかね?

【日菜さん】 うーん、若くて派手な格好をしていても、子供たちを幸せにできるって伝えたくて頑張ってたところはあると思います。笑顔で毎日を過ごすために、育児をしながらでもできることが、私にとってはファッションとメイクだったんですよね。

――単調になりがちな育児の中で、笑顔でいること、リフレッシュできる時間は大事ですよね。

【日菜さん】 そう思います。若いママが子どもを虐待してしまうニュースも耳にしますが、もしかしたら頼れる場所や息抜きの時間がないのも原因のひとつなのかもしれないですよね。

――日菜さんも若い頃に頼れる場所がなかった?

【日菜さん】 はい。“若くして生んだからちゃんとできない”って言われるのがイヤで。行政のサポート施設などもあったけど、若いママが相談しに行くと、「はい虐待予備軍!」みたいに思われるんじゃないかって、怖い気持ちもありました。仮にそう思われていなくても、若いからと周りにいろいろ言われているのがトラウマになっているケースもあると思うんです。

――新米ママに向けて子育てセミナーやイベントを開催しているのは、そんなママたちのためもあるんでしょうか。

【日菜さん】 そうですね。事情があって身近な周囲や行政に相談できない、そんな行き場のないママたちに頼れる場所を提供し、リフレッシュの仕方を教えたいって思っています。

■「大好きなのに、大好きじゃなくなってしまう悩み」

――日菜さんは、子育てアドバイザーとメンタルスペシャリストの資格をお持ちなんですよね。

【日菜さん】 27か28歳ぐらいの時に取りました。モデル活動の一環だったイベントでたくさんのママたちに出会って。私の方が年上のことが多かったので、育児の悩みを相談される機会が多かったんです。その悩みに、ちゃんと答えられるようになりたいと思ったのがきっかけでした。

――やはり悩みを相談されるのは、若いママが多かったんですか?

【日菜さん】 そうですね、20代前半の若いママが多かったです。言い方は悪いですが、みんな世間からちょっとハブられてるじゃないけど、偏見の目で見られているという思いがあって。でも知識もないし、若いママの友だちもいないから相談もできない。

――どんな悩みが多いのでしょうか?

【日菜さん】 一番は、ずっと子どもと一緒にいることが苦しくなってしまうという悩みですかね。24時間ずっと一緒にいて、誰も助けてくれない。大好きなのに、大好きじゃなくなってきてしまうという悩みが多いです。周りの友だちが遊んでいる中、育児に忙しくて自分の時間がない…1人でコンビニに行くだけで嬉しいっていうぐらい追い詰められているママもたくさんいます。人に頼らず1人でやろうとしていっぱいいっぱいになっているんですよね。

――最後に、新米ママたちにメッセージはありますか?

【日菜さん】 まずは、自分をダメなママだって責めないでほしい。子どもの幸せを一番に考えていたら、どんな服を着てても、どんなメイクをしてても、幸せにできると思うから。自分が信念さえ持っていればきっといい子になるから、絶対に大丈夫って言ってあげたいです。1度しかない人生、人の目を気にせず、子どもと一緒に笑顔で楽しんでほしいなと思いますね。

(インタビュー・文/辻内史佳)


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