徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(94)が16日、京都市の寂庵で法話の会を開いた。2月に体調を崩して約1カ月間入院したことを明かしながら、「この年になると病になるたび死と直面するけど、まだ死ねない。神様や仏様が皆さんに会わせてくれたのね」とほほ笑んだ。
寂聴さんは2月に寂庵で開いた法話の直後に入院し、心臓の手術などを受けた。3月の法話は中止にして療養に努め、2カ月ぶりに再開した。
約160人の来場者を前に、「いつ死ぬのか、死んだらどうなるのか分からないのは仏様の慈悲ね。全部分かったら生きていく気がしないでしょう」と話し、笑いを誘った。
生きる意義についても持論を展開し、「生きることは愛すること。相手が欲していることをしてあげることが愛よ」と力を込めた。