徳島ヴォルティスに今季、FC岐阜から加入したDF大本祐槻が28日から全体練習に合流した。1月中旬のチーム始動直後に、けがで離脱し、約2カ月ぶりに復帰。チームメートと同じメニューをこなし、「感触は悪くない」と手応えを口にした。サイドでの攻撃力を期待されて移籍した新戦力は、自身のコンディションやチームとの連携を高めながら試合出場を目指す。

チーム練習に合流した大本祐槻(左)=28日、徳島スポーツビレッジ

 「初めてのけが。こんなに離れたことはなかった」。けがをした当初は落ち込んだ。阪南大を経て、昨季はFC岐阜でプレー。大卒ルーキーながら、リーグ戦全42試合、天皇杯2試合とすべての公式戦に先発出場するなど活躍した。徳島へ移籍し、新天地でのスタートを切った矢先に右足を痛めた。これまでにない経験に「つらかった」と心境を明かす。けがをしたのがシーズン途中ではなく開幕前だったため、「まだ取り返せる」と気持ちを切り替え、筋力トレーニングなどに励んできた。

 先週は、ボールのタッチを確かめるため、リハビリコーチに付き添ってもらい、ドリブルやクロスを繰り返した。28日の練習ではシュートも見せ「休んでいたわりにタッチは悪くない」と好感触にほっとした表情を浮かべた。一方で「守備のポジション取りがまだできていない」と課題を挙げる。自身のコンディションや体力、戦術の細かな点、チームメートとの連携など高めていかなければならない部分はあるが、加入前から徳島の映像を見ていて「やりたいコンセプトは分かっている」と力強い。

シュートを放ち、アピールする大本

 復帰後の練習を終え、「サッカーをできるだけでうれしかった」と喜びながらも、「早く試合に出たい、やってやるという気持ちが強かった。今日からアピールが始まっている」と引き締まった表情を見せた。チームのために「サイドでの激しい上下運動や攻撃でのアクセントを加えたい」と意気込む。徳島でのデビューを目指し、アピールを続けていく。