[右]県災害救助犬に認定された玄と北浦さん[左]モナカと岡本さん=いずれも県庁

[右]県災害救助犬に認定された玄と北浦さん[左]モナカと岡本さん=いずれも県庁

 徳島県動物愛護管理センター(神山町)に保護され、訓練を受けた犬2匹が18日、災害救助犬に認定された。殺処分される可能性もあった2匹だが、今後は災害発生時に、救える命を一人でも多く救うため、現場に出動する。

 認定を受けたのは共に雑種、雄、推定2歳の玄(げん)とモナカ。玄は三好市池田町マチの警備業北浦恭男さん(74)と長女の看護師奈苗さん(44)が、モナカは上板町瀬部、団体職員岡本沙南(さな)さん(20)がセンターから譲渡されて育ててきた。県庁で飯泉嘉門知事が飼い主に認定証を手渡した。

 2匹は飼い主と共に1年半にわたって民間施設・ノイマンドッグスクール(板野町)で服従や捜索の訓練を繰り返した。訓練の習熟度や飼い主との信頼関係などの最終審査を経て合格した。

 飼い主も災害時は現場に出向く。北浦恭男さん、岡本さんは「人命救助に向け、今後も犬と一緒にしっかり訓練を積んでいきたい」と抱負を語った。

 県は保護した犬の殺処分を減らすとともに、災害時の人命救助にもつなげようと2015年度に救助犬の育成事業を全国の都道府県に先駆けて始めた。今回の2匹が初の認定で、1匹当たり約30万円かかる育成費は県内事業所の寄付金とふるさと納税を充てた。もう1匹が認定を目指し、訓練を受けている