かつての小松島駅跡に作られた小松島ステーションパーク=小松島市小松島町

 今から34年前の1985年5月ごろ、小松島線の小松島駅を訪ねた記憶がある。小松島線は、その年の3月14日に廃止されたばかりだった。

 駅舎や線路はそのまま残っていたが、留置線に並んでいた客車の姿はすでになく、さびたレールが見えるだけのわびしい光景が広がっていた。

 ホームから、駅構内との位置付けだった小松島港仮乗降場(通称・小松島港駅)へと続く線路が見えた。緩やかなカーブの先から列車が現れるのではないか。そんな錯覚も覚えるほど、リアルな廃線跡だったと鮮明に覚えている。

 時は流れ、車両基地も兼ねた広大な駅敷地には草が生い茂り、足が遠のいている間に再整備の工事が始まった。現在は、小松島ステーションパークに生まれ変わっている。

 わずかに駅の記憶をとどめるのは「SL記念広場」に展示された蒸気機関車C12と50系客車ぐらい。ところが、展示の機関車に小松島線を走った記録はなく、山口県から持ってきたもの。機関区まであった駅なのに・・・。

 日が暮れるのを待って撮影した。オレンジ色の照明に照らされ浮かび上がる車両は、往年の夜の出発シーンを思い出させてくれた。それでも、動き出す気配がないのが寂しい。