県内経済に漂う閉塞感を打破し、明るい展望を開けてもらいたい。

 徳島商工会議所の会頭に寺内製作所会長の寺内カツコ氏が就任し、新体制がスタートした。明治中期の1897年に同商議所が設立されてから26代目、初の女性会頭である。都道府県庁所在地の商議所でも女性第1号となった。

 寺内氏は、会頭就任前の3期9年にわたって副会頭を務めてきた。徳島商議所が抱えている課題は十分把握していることだろう。

 徳島商議所の会頭は、県商議所連合会の会長も務めるのが慣例である。県内財界の新たなかじ取り役として、力を存分に発揮してほしい。

 寺内会頭誕生に伴い、とりわけ注目されるのは、本県の主要な3経済団体のトップが女性となったことである。

 昨年、徳島経済同友会の代表幹事にタウン誌あわわ会長の坂田千代子氏が就き、今年6月には県経営者協会の会長にマルハ物産会長の林香与子氏が就任した。

 徳島が藍で栄えた近世以降、阿波女は働き者、しっかり者で通っている。女性社長の比率は全国屈指の高さで知られ、民間信用調査会社の本年度調査でも10・5%と青森県に次いで2番目。総務省の直近の調査では、県内の管理職に占める女性の割合は17%で、8番目に高かった。

 こうした統計も踏まえると、もっと早く女性が県内経済団体のトップに立っていてもおかしくなかった。本業で実績のある3人だけに、周囲が寄せる期待は大きい。

 県内景況は、厳しさを抜けたとは言い難い。日銀徳島事務所は最近の概況を「景気は回復を続けている」と分析しているが、実感できていないのが大半ではないか。

 来年8月には、そごう徳島店が閉鎖となる。実態経済への打撃だけでなく、心証面でも大きなマイナスとなるのは間違いない。

 人口減少は予想より加速し、民間シンクタンクが毎年発表している都道府県の魅力度ランキングでは下位低迷が続いている。

 こうした現状は、行政の施策だけでなく、経済団体の地域振興や社会貢献を含む活動が十分な効果を挙げていないせいでもあろう。

 3団体のトップに女性がそろった今求められるのは、斬新な視点、発想での取り組みだ。経済施策はもちろん、まちづくりについても具体的な提言、提案を県や市町村へ積極的に打ち出してはどうか。

 広い立場で行政に物申す役割も忘れないでもらいたい。足元では徳島市の新ホール建設計画を巡り、県と市の関係がぎくしゃくしている。原因はともかく、住民の利益にはなっていない。経済界の代表として円満解決への仲介を果たす。そんな存在感の発揮にも期待している。

 全国に例のない女性を頂点とした連携体制を存分に発揮し、本県の成長を推進することが望まれる。